7月1日にスタートしたスマホの決済サービス「セブンペイ」が、第三者からの不正アクセスで知らぬ間に使用される事例が各地で発生。「不正アクセスされるケース」の例として「ログインID・パスワードが分かりやすいものになっている」ことが挙げられていた。だが、安全なパスワードを設定しても、落とし穴がある。ITジャーナリストの三上洋氏は言う。
「同じパスワードを複数のサービスで使い回している人が多いですが、絶対にやってはいけないことです」
ウイルス対策ソフトメーカーのトレンドマイクロ社による「パスワードの利用実態調査2017」によれば、約85%の人がパスワードの使い回しをしており、多くが「異なるパスワードを覚えられない」「パスワードを考えるのが面倒」といった理由だという。
「使い回しをしていると、1か所からパスワードが漏れてしまったら、芋づる式に他のアカウントにも不正に入られてしまい、被害が拡大する危険性がある。専門家の間で『パスワードリスト攻撃』と呼ばれるものです。実際、ネットの裏サイトなどには過去にネット上に流出したIDとパスワードがセットになった一覧が出回っており、悪事が横行しています」(同前)
いちいちサービスごとに異なるパスワードを入力するのは面倒だが……。
「『自動ログイン』を使えばいいんです。多くのネットサービスは、最初にログインする時に『次回からは自動ログインしますか』と表示されます。自動ログインだと危ないんじゃないかと避けてしまう人がいますが、実際には持っているパソコンやスマホそのものを他人に操作されない限り、流出の危険性はありません。
同様に、誰かに見られてしまうのが危険だからと紙のメモに書くことを避ける人もいますが、これも家族でもない限り見られる心配はあまりない。不安なら金庫に入れるなり机に入れてカギをかけるなりすればいい」(同前)