ディープインパクトの父サンデーサイレンス(SS)は1995年にリーディングサイアーとなり、5年後の2000年には産駒フジキセキがリーディング6位にランク。2002年に9位に入ったのがダンスインザダーク。SS自身は2002年に死亡するが、その後2007年までリーディングサイアーとして君臨した。
その偉大さを実感させたのは、むしろ死亡後。ダンスインザダークが2004年には2位になって親子ワンツーを達成。2005年にはスペシャルウィーク、2007年、つまり死後5年目にはアグネスタキオンとアドマイヤベガも台頭、1位SSで2位以下10位までに産駒5頭がランクインした。その後も、マンハッタンカフェやネオユニヴァース、ダイワメジャーやステイゴールド、ハーツクライなどが好成績を収め、ベスト10のうち8頭をSS産駒が占めるまでになったのは、死して13年後の2015年だ。
そう考えれば、ディープ産駒が後継種牡馬として名乗りを上げるのもまだまだこれからなのかもしれない。なにより、ディープ自身がSS晩年の産駒にして最高傑作といわれている。しばらくは、ハーツクライやダイワメジャーといった、SS直子につないでもらって、強力な後継者の出現を待てばいいのだ。しばらくはそういう視点でディープ産駒の新馬戦を見ていきたいと思う。
●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。