競走成績としては京都新聞杯を勝っただけのトーセンホマレボシだが、初年度産駒のミッキースワローがセントライト記念を勝った。近親には活躍馬が多いが、2018年の種牡馬ランクは51位。出走頭数が多い(94頭)わりに勝ち星は多くない。
初年度産駒が重賞を勝って順調なスタートを切ったのが2013年のダービー馬キズナ。セレクトセールでは1歳馬のアドマイヤキラメキが2500万円からはじまって1億3000万円まで値を上げたが、セレクトセール当歳の上場馬はNFからの3頭だけで落札価格もあまり伸びなかった。社台Gで今年産まれたのは20頭ほどだが日高では80頭以上。ビアンフェのようにさまざまタイプの産駒が出てくるかもしれない。
セレクトセールの落札価格でキズナを上回った感があったミッキーアイルはスプリント部門で旋風を巻き起こす可能性を秘めている。クラシック向きではないということで価格は控えめだが、種付け料も150万円。サンデーサイレンス系の新たな潮流になるかもしれない。
スピルバーグ産駒はいまのところまるで目立っていないが、ディープ産駒でただ1頭、天皇賞(秋)を勝っている。クラブ募集時では人気だった藤沢和雄厩舎の管理馬コースタルチャートなど、社台サラブレッドクラブ所属3頭の2歳馬の活躍しだいだ。
“長男”ともいうべきリアルインパクトは、やっと今年初年度産駒デビューしたばかり。すでに5勝を挙げているが、セレクトセール当歳には上場がなかった。3歳で安田記念を勝った後は13戦勝利なし、7歳まで走って30戦5勝、二桁着順だったことも多かったことで、信頼性に欠けるのだろうか。今年の産駒も20頭ほどだ。
今年初産駒が80頭近く誕生したサトノアラジンは種付け料の100万円は魅力的で、スピードに特化した馬が出てくるかもしれない。しかし、競走成績にムラがあったことが印象を悪くしているのか、セレクトセールでの落札価格も思ったほど伸びず、オーナーたちの期待が感じられなかった。
シルバーステートは、レコード2回を含む5戦4勝ながら重賞未勝利なので種付け料は80万円。今年は日高地方を中心に100頭以上が産まれており、NFで12頭、追分Fで4頭が生まれ、うち3頭がセレクトセールに上場され、ローエキスキーズは1000万円からのスタートながら、7400万円までせり上がった。こういう馬が種牡馬として成功すると、ディープインパクト系の枝葉がぐっと広がっていくのだが。
ということで、ディープ直子の面々が後継種牡馬として名乗りを上げるには、どれも現時点で決め手に欠けるのが実情だ。