国際情報

中国の「臓器狩り」疑惑に英国の国際民衆法廷が「有罪判決」

「人権問題」は大国として台頭した中国のアキレス腱だ

 人口約14億人、GDP世界2位の超大国である中国。その喉元に刺さったトゲが人権問題である。国連の人種差別撤廃委員会や人権団体などによると、中国国内の新疆ウイグル自治区では、ウイグル族を中心にした多くのイスラム教徒が収容施設に拘留されている。その数は少なくとも100万人と見積もられる。

 7月8日には、日本や欧州諸国、カナダ、豪州など22か国が、ウイグル族の大量拘束を停止し、新疆と中国全土で人権と信教の自由を尊重するよう求める書簡を国連人権理事会宛てに送付した。

 一方の中国政府はこれまで収容施設について、過激主義への対策としてウイグル族の人々に新たな技能を身につけさせるための「訓練施設」だと説明しており、「ウイグル人を含む新疆の市民は平等な自由と権利を享受している」と国際社会に反論してきた。

 そんな最中、中国にとって新たな「時限爆弾」となる可能性があるのが、「臓器狩り問題」である。

 発火点となったのは、6月17日に英国ロンドンで開廷された「中国の強制臓器収奪に関する民衆法廷」が下した“最終判決”だった。

「200人の傍聴人が詰めかけた法廷には天井から光が差し込み、荘厳な雰囲気でした。原告も被告もいない法廷で1時間半にわたって議長が読み上げた判決は、『中国による違法な強制臓器収奪は今日も続けられている』と結論づけました」

 こう振り返るのは、英国在住の日本人・鶴田ゆかりさん。ETAC(中国での臓器移植濫用停止国際ネットワーク)の一員として、この法廷を見守ってきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン