ひとつは居酒屋やバーはすでに使い過ぎたというのもあるだろう。また、中華料理店はあまり深酒イメージがないし、料理もどっさり、熱気もあって明るい。地味なオフィスから、店内赤色ベースの中華の店の場面が変わると、メリハリが出る。
それら何より中華屋ならば、店主がどんなハイテンションな人物でもぴったりくる強みがある。
『わたし、定時で~』王丹は、定時で帰れなくなった結衣の仕事場にもやってくる。『ボイス』では、飲むわ、騒ぐわの荒くれ強行犯の刑事たちにも「ちょっとあんたたち」と遠慮なくものを言い、樋口の誕生日だからとこんもり焼いた焼きそばに旗を立てたりする店主が誰かと思ったら、白い三角巾を被ったYOUだった。
しかも、てっきり中華屋の面白おばさんかと思ったら、二話からは姪っ子を凶悪犯に拉致されて、動揺する事件関係者に。焼きそばどころではなくなってしまったが、彼女の店が樋口のほっとできる場所だったのは間違いない。
ドラマに明るくメリハリをつけ、面白店主というキャラクターも設定できる。なんだか観てるだけでスタミナがつく気もするのだ。中華料理屋の秘めたパワーが、ドラマを盛り上げていると言っていい。