芸能

高田文夫 『てなもんや三度笠』は闇営業よりおもろいで

高田文夫が若き頃、大爆笑した番組を語る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、高田氏が初めて関西のお笑いになじんだ『てなもんや三度笠』の思い出と、それを今見られる幸せについて語る。

 * * *
 連日テレビでお家騒動、吉本興業の笑えぬ「吉本新喜劇」をみせられているのでウンザリ。昔はよかったなあなぞと爺ぃのように想い返せば、我々東京っ子はいつから浪花風味の笑いになじんだのだろうか。やっぱりあれだ、「あたり前田のクラッカー」。

 そうそう“雲といっしょにあの山越えて ゆけば街道は日本晴れ”思わず口ずさんだのは60代と70代。伝説ともいえる日曜夜6時からの30分公開放送バラエティ『てなもんや三度笠』である。よござんしたねぇ、渡世人・あんかけの時次郎(藤田まこと)と小坊主・珍念(白木みのる)が全国を旅しながら騒動にまきこまれていく爆笑時代劇。1962年(昭和37年)から1968年(昭和43年)に全309回放送されている。私が14歳から20歳、「お笑い」に多感で最も敏感で、なんでも受け入れた時代でもある。

 余談ですが、この時代、“笑い”にとっては最も豊かな時代で、6時からがこの『てなもんや』で大阪の笑いを浴び、6時30分からは『シャボン玉ホリデー』で、東京のミュージシャンでもあったアカ抜けたクレージーキャッツ。そして私は特に作者の青島幸男のギャグにその名の通り狂ったように笑った。

『てなもんや』は大阪発ABCホールの客前で、生放送と同じように一発勝負で録画しているのが凄い。カメラはたったの三台で編集無しのカット割り。ドリフの『全員集合』のずっと前に、セットをこわす屋台くずしやらドカーンと大砲をぶっぱなしたりしている。

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン