「1打席目は2割、2打席目は1割8分8厘ですが、3、4打席目になると力を発揮している。8月21日の中日戦が良い例です。先発・小笠原に1、2打席目はカーブを中心に打ち取られ、チームもカーブに苦しんでいた。すると、3打席目にそのカーブを狙い澄ましてライトスタンドに運んだ。今季、スタメン出場で放った3本塁打は全て3打席目。1、2打席目の伏線を、3打席目で生かしている。ベテランの読みが冴えています」
原監督の起用法が、ここ2年、思うような成績を残せなかった阿部を生き返らせたのではないか、と分析する。
「年齢的に、常時スタメンで結果を残すことは難しいし、後半にバテが出る。121試合にスタメン出場した2017年は開幕から1か月は調子が良かったものの、5月2割、6月2割4分4厘、7月2割3分2厘と徐々に低迷していった。
今年、原監督は阿部の体調も考慮してシーズン序盤のスタメン起用を我慢し、大城など若手を使った。そして、勝負所の夏場で先発起用を増やし、阿部はその期待に応えた。例年と違って、序盤に出番が少なかったため、体力は温存できているし、夏場になると相手投手がヘバってくるという利点もある。
実際、怪我で開幕から約2か月を棒に振った2016年は打率3割1分と結果を残した。原監督の見事なベテランの使い方で、阿部の選手寿命も伸びたと思います。序盤、阿部の代わりに起用していた大城が打つようになれば、願ったり叶ったりでしょう」
原監督の一石二鳥、三鳥にもなる采配が、チームを5年ぶりのリーグ優勝に導くか。