これによってどのような不利益が生じるのだろうか。香田氏は「日本を含め三国がそれぞれ失うものはある」と前置きした上で、こう続けた。

「喫緊の課題である北朝鮮の弾道ミサイルに対する防衛に着目すれば、韓国が被るダメージが大きいと考えられます。1998年のテポドンの日本列島上空通過を受けてミサイル防衛システムを整備した日本の場合、破棄されても協定があった時を仮に100点としてみれば、およそ及第点85点の水準を維持できます。しかし、韓国は自前のミサイル防衛システムを持っていません」

 それだけではない。日本は事実上の偵察衛星である情報収集衛星を7基運用しているが、韓国の保有はゼロだ。

「P-1、P-3Cといった洋上哨戒機を日本は73機保有していますが、韓国は18機。電波情報収集機という最新鋭の航空機を日本は5機保有していますが、アメリカ以外で運用しているのはわが国だけです。GSOMIAの破棄の結果、韓国は高度に整理されたこれらの情報を共有する資格を失います。今後、北朝鮮が今にもミサイル攻撃を始めるという段階に至った際、情報を入手できない事態に直面するでしょう」(同前)

※週刊ポスト2019年9月13日号

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