「一生のうちに複数回がんになる人は、生まれつき遺伝子になんらかの異常がある場合があることもわかってきました。たとえば、乳がんや卵巣がんは、『BRCA遺伝子』の変異によりリスクが高まるので、注意しなければいけません」
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリー(44才)は、2013年に、BRCA遺伝子に生まれつき異常があると告白。検査の結果、乳がん・卵巣がんになるリスクが高いと知ったアンジーは、同年、両方の乳房を切除。2015年には、卵管・卵巣も切除している。
さらに二次がんの原因として考えられるのは、最初のがん治療時に受けた治療の影響だ。
「放射線や一部の抗がん剤によって、正常な細胞も影響を受けます。もちろん、今あるがんを治すために必要な治療なのですが、治った後に同世代の人に比べてがんを発症しやすい」(米盛さん)
実際、アメリカ国立がん研究所の統計結果によると、がん治療を受けた人がその25年後までに二次がんになるリスクは、がんではない人より平均で14%高くなるという。
「年齢別で見ると若い人ではさらにリスクが高く、0~17才では6倍、18~29才で2.9倍、30~39才で2.4倍、40~49才で1.6倍、50~69才で1.1~1.3倍でした。70才以上はほとんど変わりません。つまり、小児がんを経験した人が二次がんにかかるリスクは、そうでない人の6倍に上るということです」(室井さん)
※女性セブン2019年9月19日号