◆排気ガスと同じ発がん性物質が発覚したケースも
食品添加物は、動物を使った科学的な試験により毒性、発がん性などの有無を食品安全委員会が調べ、安全なもののみが厚生労働省によって使用を認められている。しかし、安全とされていたものが、後に使用禁止となるケースもある。
食品ジャーナリストの郡司和夫さんが語る。
「有名な話では、清涼飲料水に含まれていた『安息香酸ナトリウム』と、酸化防止剤として使われる合成の『ビタミンC』が化学変化を起こし、排気ガスに含まれる『ベンゼン』と同様の発がん性物質が発生することが2006年にわかりました。以降、その2つを一緒に使うことは世界的に自粛されていますが、その2つの添加物から発がん性物質が発生するとは誰も想像していませんでした」
加工食品診断士協定代表理事の安部司さんも続ける。
「中華麺などの防カビ剤として今も使われている『プロピレングリコール』という物質は、ある日、突然、使用基準量が設定されました。それくらい、食品添加物の安全性は曖昧なのです」
さらに、いくら原材料表示をチェックしても、どんな添加物を使っているのか見抜けないケースも数多い。
「『ソルビン酸』などの保存料を嫌がる消費者への“隠れ蓑”として、短期間の保存を目的とした『pH調整剤』などの日持向上剤があります。しかし、メーカーが独自に複数の添加物を調合して作っているため、その内訳はわかりません」(郡司さん)
いたずらに心配する必要はないが、いつ、危険なものに様変わりするかはわからない――その事実を忘れてはならない。
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号