ラッキーボーイとなり得るのは念願のワールドカップ初選出を果たした山中亮平選手。長きにわたる紆余曲折を経てメンバー入りした苦労人である。
「高校時代にファンタジスタとして名を馳せたものの、神戸製鋼に入部した直後のドーピング検査で髭を伸ばすため使用した育毛剤が引っかかり2年間の資格停止処分に。本人は退部も考えたが、当時の平尾誠二GM兼監督の『俺が必ず復帰できるようにしてやる』との言葉を支えに謹慎してチームに復帰しました。前回大会は土壇場で代表入りを逃したが、諦めず努力を続けてついにメンバー入り。最近は高校時代の体のキレが戻ってきているので、出場したら活躍してくれるはずです」(小林氏)
それぞれの体格、能力、特徴に応じた働きが求められところがラグビーの面白いところ。ピッチに立つ日本代表15人の個性が幾重にも織り交ぜられた好ゲームを期待したい。
●取材・文/池田道大(フリーライター)