家電へのこだわりは、観月ありさ版でもしっかりあった。こちらは冷蔵庫がアニメと同じ「緑色のツードア」タイプ。さらにこだわっているのは、男性陣のヘアスタイルだ。マスオ(筒井道隆)の後ろ髪もほんの少しハネているし、三河屋のさぶちゃん(勝俣州和)の前髪はひさしのごとく10センチくらい張り出している。
なお、江利チエミのサザエさんは、アニメの放送開始以前の作品ということもあり、とっても自由。サザエさんは、隠れていた床下やタンスの中から唐突に飛び出して、波平をひっくり返らせたりする。こだわりとか再現ではなく、おおらかなリアル昭和なのだ。また、星野知子版は、なんとタイムスリップ。全身銀色のタイツの未来人スタイルでニコニコしたりして、別の意味でおおらかさを感じる。
こうなると気になってくる天海祐希のサザエさん。私の予想ではサザエのサンダルダッシュは、歴代で一番歩幅が広いと思う。そして速い。逃げるカツオは100パーセント確保。天海版の物語はアニメの二十年後。家電はどうなっているのか。それより何よりタマが心配だ。紀香版では、酒井敏也がまっ白いしっぽをつけたご長寿タマになって出演。屋根にのぼるのもずいぶん大変そうだった。でも、二十年後は…。かつて浅野忠信のカツオ、小栗旬のタラオなどが出たCMでは、タマは三代目になっていた。タマの運命は…気になる。