数年前までは、心臓病や動脈硬化のリスクを高める「トランス脂肪酸」が多く含まれるマーガリンを危険視する声が多かった。植物油研究家の林裕之さんは、こう語る。
「トランス脂肪酸は工業的に作られた脂質で、悪玉コレステロールを増やし、冠動脈性心疾患のリスクを高めることがわかっています。アメリカではトランス脂肪酸が発生するもととなる油の食品添加が2018年6月から原則禁止となりました」
トランス脂肪酸は、マーガリンやパン、ケーキなどの材料として使われるショートニングなどに含まれる。
しかし昨今は、国内でもメーカーの企業努力によってトランス脂肪酸の含有をゼロにする動きが高まっている。
「今は、トランス脂肪酸より、脂質に含まれる『飽和脂肪酸』に気をつけるべき。いずれも心臓病や動脈硬化などの疾患リスクがあり、日本人は飽和脂肪酸の過剰摂取が問題だと農林水産省の調査でも指摘されています」(垣田さん)
パンを買う時は「トランス脂肪酸ゼロ」はもちろんのこと、脂質が低い商品を選ぶことが今や常識なのだ。
※女性セブン2019年9月26日・10月3日号