芸能

話題沸騰『全裸監督』 その妥協なき異色の制作体制

話題沸騰の『全裸監督』(EverettCollection/AFLO)

 8月8日、山田孝之主演の『全裸監督』がSVOD(定額制動画配信サービス)業者・ネットフリックス(Netflix)のオリジナルドラマとして世界190か国で同時配信された。

 このドラマは「AVの帝王」村西とおるの半生を描いた作品で、1980年代のAV業界を舞台に、女優・黒木香との出会いや、そこに登場する人々のさまざまな生き様が交差する物語だ。主人公・村西を演じる山田孝之が白いブリーフ一丁で女優たちと絡む姿や、ハードなシーンでもモザイクを一切用いない演出に視聴者は大いに驚いた。

 黒木香役の森田望智や、村西の前妻役の階戸瑠李をはじめ、女優たちはきわどいシーンで決して綺麗ではない、不格好で生々しい演技を披露している。過激な性描写など現在の地上波では観られない表現に話題が集中しがちだが、ヒットの背景には日本のテレビ界にはない異色の制作体制も関係している。

 日本のテレビドラマの場合、多くは1人の脚本家によってドラマ全体の世界を作ることが多い。しかし、アメリカのドラマ制作ではよりエンターテインメント性が出るという考えで複数のアイデアを活かすチームが組まれるのが一般的だ。本作は4人の脚本家がチームとなり、1年かけて脚本が練られた。

 中盤から村西たちの本拠地となる歌舞伎町の一角をまるごとセットで作り、ハワイでセスナ機に乗った村西とおるが窓の外に向かって叫ぶシーンはCGではなく実際の撮影だった。大がかりな予算とスケールの妥協なき制作体制のもとに生まれた『全裸監督』には、地上波ではもはや実現不可能な映像の醍醐味が詰まっていると言える。

※週刊ポスト2019年10月4日号

関連記事

トピックス

イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信を続ける高橋和也さん
【集めた数は3468種類】全国から「鳥型のサブレー」だけを集める男性が明かした収集のきっかけとなった“一枚”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン