ライフ

シュー? ゴー? 新幹線の走る音を言葉で表現しにくい理由

この時、聞こえる音は何と表現する?

 電車が走る音を言葉で表現すれば、「ガタンゴトン」だろう。では、新幹線の走る音は何と表現するべきか。うまく言い表せない理由を、早稲田大学鉄道研究会が考察する。

 * * *
 東京のガード下では、電車が走ると話すこともままならない程うるさくなる。電話の途中だろうが、恋人と話していようが、あるいは重要な商談の最中だろうが、ガードの近くにいたならば電車が通るたびに会話は遮断される。

 また、電車の車内ではガタンゴトンという線路の音や床下からモーターの唸る音が聞こえてくる。では、同じ電車でも新幹線はどうだろう。「新幹線の走る音」と聞いて、あなたはイメージできるだろうか。ガタンゴトン? シュー? うまく想像できないのではないだろうか。

 今回は在来線と新幹線を音の面から比較したい。まずは在来線についてだが、実は在来線の騒音については法的規制がない。極論を言えば、ジェットエンジンを積んだ車両が住宅街の中の線路を走ることも可能なのだ。

 しかし、法的規制がないとはいっても環境省の指針はある。その指針を要約すると、新設の在来鉄道(新線)に関しては〈昼間(7~22時)については60dB以下、夜間(22時~翌日7時)については55dB以下〉、大規模改良線に関しては〈騒音レベルを改良前より改善すること〉となっている。

 この指針に法的強制力はなく、あくまで目安ではあるが、小田急電鉄が近隣住民に騒音被害訴訟を起こされた際、東京地裁はこの指針を参考にしたうえで明確な基準を策定し、被害を認定した。これにより在来線も、法的規制がないとはいえ、騒音対策を迫られるようになったのだ。最近の例としては上野東京ラインが挙げられる。上野東京ラインは線路の両側面を高い壁で囲まれている。これは防音壁であり、騒音対策の“目に見える”設備だ。

 それでは、最近では在来線といえども騒音被害が裁判所で認められているのに、ガード下はなぜうるさいのか。まずは法的側面から見てみよう。端的に言うと、先の指針はすでに建設された路線に関しては適用されないからだ。東京のうるさいガードの上を走るのは、中央線や山手線、京浜東北線である。これらが走る架道橋は一部を除き、開通した明治、大正、昭和の時代から架け替えられることなく現在に至っている。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン