振り返れば、僕が代表だった時代はそこまでのサポートはなかった。まず代表の集め方が違う。日本選手権で日本一になったチームを中心に、準優勝やベスト4になったチームから補強するというパターンでしたね。新日鉄釜石を軸に、神戸製鋼や東芝、同志社大、明治大から何人かずつ入れるという感じ。当時はラグビー協会もそんなに真剣ではなかったからね。
今は100人、200人の候補から試合や練習をしながら半年をかけて絞りこんでいく。選び方も公平だし、競争も生まれる。本当の意味での日本の代表が集まっていますよ。
【プロフィール】まつお・ゆうじ/1954年東京都生まれ。目黒高校、明治大学、新日鉄釜石で活躍。日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれる。明大を初の日本一に導き、1979年からは新日鉄釜石の選手、主将、監督兼選手として社会人選手権、日本選手権7連覇を達成する。
※週刊ポスト2019年11月1日号