「ミスターラグビー」松尾雄治氏
そんなところから、なぜ日本はここまで強くなったか? もちろん外国出身選手の加入によるパワーアップと大型化は大きいでしょう。でもパワーに頼っていないところがもっと素晴らしい。昔からの日本の良さである「パスをつないで走るラグビー」が生きている。スコットランド戦では、ウイングだけでなくフォワードにもそういうシーンが見られました。
スコットランド戦でのウイング・福岡堅樹のトライなんて、「ラグビーのトライとはこういうもんだ」と世界に誇れるものです。福岡や、同じくウイングの松島幸太朗、ナンバー8の姫野和樹は世界のプロチームでも十分通用するでしょうね。
ただラグビーというのは難しいスポーツで、「いい選手がいれば必ず勝てる」というものでもない。個人の力だけで見れば格上のアイルランド、スコットランドを倒せたのは日本の組織力があってこそです。
選手たちが勝利インタビューで「どれだけの時間を犠牲にしてきたか」と話していましたが、日本はエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチの時代から、毎年100日以上の合宿を行なっています。今年は240日だった。全員が集まってこれほど練習した代表チームは、世界でも他にないと思います。