国内

定期テストを廃止した公立中、生徒からは復活を求める声も

生徒総会で壇上に立つ世田谷区立桜丘中学校の西郷校長(10月17日)

 昨年の生徒総会で「定期テストの廃止」が決定、本年度から実施して全国から注目を浴びている東京都世田谷区立桜丘中学校。取材班は本年度の生徒総会に潜入した。そこで飛び出したのは、まさかの「“定期テストの廃止”の廃止」だった――。

 桜丘中学校は、校則もなく、服装も髪の色もメイクも自由、スマホの持ち込みもOK。おまけに成績は区内トップクラスといい、公立中学校ながらさまざまな改革に取り組み、「越境してでも行きたい」と注目を集める。実際、今年度の新入生の半数近くが他の学区域からの越境組や転校生というから驚きだ。

 先日放送された、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんが司会を務める『ウワサの保護者会』(NHK・Eテレ/2019年9月28日放送)では、「校長先生 中学校を変える!」のタイトルで同校の西郷孝彦校長(65)が10年かけて取り組んできた、子ども中心の学校づくりを取り上げたばかり。校長室に生徒が集い、ギター片手に歌ったり笑ったりする様子や、職員室前の廊下で勉強をしたりパソコンをしたりして1日を過ごす生徒らを紹介。多様性を認める校風は大きな反響を呼んだ。

 桜丘中学校での名物のひとつは、全校生徒545人が出席して行われる生徒総会だ。「定期テストの廃止」も、昨年の生徒総会で満場一致で可決された。学校運営に関する要望があれば、だれでも自由にステージに上り、意見を述べられる。それを全校生徒で議論するというスタイルで、昨年はほかにも「体育館の冷房化」「校庭の芝生化」なども可決された。

 10月17日に行われた今年度の生徒総会では、冒頭に西郷校長が生徒にこう語りかけた。

「生徒総会で決まったことは、学校として尊重します。法律に触れることや命に関わること以外なら、先生たち全員でみんなの希望を実現できるように努力します」

 この日は学校公開日と重なったこともあり、外部からの見学者も多く訪れていたが、校長のこうした言葉に、小さなどよめきが上がった。そして、
西郷校長はこう続けた。

「ただし、なんでも人に頼めばいいというものではありません。“こうしてほしい”ではなく、“こういうことをやりたいのでやらせてください”という意見が出るといいな」

◆「受験勉強との両立が難しい。3年生は定期テストを」

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン