尾木ママ一覧

【尾木ママ】に関するニュースを集めたページです。

教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談
茂木健一郎氏が受験システムに警鐘「塾や予備校はいらない。ゼロでいい」
 東大前刺傷事件や大学入学共通テストでのカンニングなど、受験をめぐるトラブルが相次いでいる。教育現場ではいったい何が起きているのか。教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談した。【全4回の第4回。第1回 第2回 第3回を読む】 * * *尾木:本当に大事なのは、基礎的な学力は必要かもしれませんが、「大学でこれを学びたい」「将来こういう仕事をしたい」という意欲であって、大学側の「こういう学生が欲しい」という要望とマッチングさせることです。茂木:それを壊しているのが受験産業です。私は科学者ですから、科学の世界でどういうスキルが求められるかをよく知っています。AIやビッグデータなどで使われる数学やプログラム能力なんて、塾でくだらない受験指導を受けても身につかないですよ。英語力を上げたければ、TOEICなど含め英語のテストを全廃することです。 先日、塾の先生と話していてびっくりしたんですが、小5までに小6のカリキュラムを終わらせて、その後、深掘りするんだって。早く終わったなら先に進めばいいのに。尾木:ああ、中学で学ぶ内容は、中学受験に必要ないですからね。茂木:そうそう。本当にくだらない。時間の無駄。尾木:だから、日本も欧米と同じようにAO入試だけにすればいいんです。茂木:欧米のAO入試は何時間も、場合によっては何日も面接をして合否を決める。優秀な生徒には大学側がオファーを出すこともある。ペーパーテストの点数で上から取るという日本の入試は、むしろ手抜きです。お金も手間もかけていない。尾木:欧米に比べて日本は教育に予算をかけていないので、入試にお金や人員を割けないという問題もありますけどね。茂木:中学受験や塾、予備校という文化が全くない国はあります。アメリカでも聞いたことがない。じゃあ、そういう国と比べて、日本では生きる力やイノベーションを起こす力の高い人たちが出てきているのかといえば、全くそんなことはない。はっきり言いますが、私は塾や予備校はいらないと思う。ゼロでいい。尾木:受験システムの背景にあるのは、我が子の就職を心配する親の気持ちだと思います。現実問題、学歴による就職差別はありますし、だからこそ親は塾に入れていい大学に行かせようとします。 それは理解できますが、今、就職という発想自体が変わりつつあります。企業に就職するのではなく、学んだことや研究をもとに自ら起業したりして仕事を「創ろう」と考える学生が増えてきています。大きく儲けられはしないけど、収入になるならいいやと。私たちの時代には出てこなかった発想です。そうすると、学歴信仰も変わってくるんじゃないでしょうか。茂木:日本のいい就職先にこだわるなんて、コップの中の小さい話ですよ。一番の先進層なんてもう日本の教育システムから外に出てしまっている。尾木:本当にそうなの?茂木:以前、G1サミットという若手経営者がたくさん集まる会議があって、日本の教育の話をしたんですよ。そしたら誰も興味なくて。何でだろうと思ったら、ほぼ全員が子供を海外の学校に送っているわけ。尾木:日本がそういう状況だからこそ、学びを活かして仕事を創ろうという学生が出てきたのは嬉しいことでもありますね。(了。第1回から読む)【プロフィール】尾木直樹(おぎ・なおき)/教育評論家、法政大名誉教授。1947年生まれ、滋賀県出身。早稲田大学卒業後、私立高校、公立中学の教師に。その後大学教員に転身し、合計44年間教壇に立つ。「尾木ママ」の愛称でテレビなどのメディアに出演。『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著、小学館新書)など著書多数。茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)/脳科学者、作家。1962年生まれ。東京都出身。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)など著書多数。※週刊ポスト2022年3月11日号
2022.03.05 07:00
週刊ポスト
茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)/脳科学者、作家。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする
茂木健一郎氏の受験改革案「僕はすべてAO入試にすべきだと思っている」
 東大前刺傷事件や大学入学共通テストでのカンニングなど、受験をめぐるトラブルが相次いでいる。先日には悠仁さまの進学先が話題となったばかりだが、教育現場ではいったい何が起きているのか。教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談した。【全4回の第3回。第1回 第2回を読む】 * * *茂木:受験の波は皇室にも及んでいます。悠仁さまの筑波大附属高への進学が発表されましたが、東大合格者を多数出している進学校ですので、世間には「皇室までも偏差値重視か」などと批判する人たちがいます。だけど、筑波大附属の自由闊達な校風は友人や講演を通して知っているので、悠仁さまが学ばれる学校にはふさわしいと思っています。偏差値で選んでないですよ。尾木:おっしゃる通りです。同校は一昨年、コロナで一斉休校になったなかでも、なんとか文化祭をやろうと、保護者も結束してオンライン上でヴァーチャル文化祭を開催しています。学校のスローガンは「自主・自律・自由」で、制服もない。 そうした学校を選んだのは、秋篠宮家の教育方針に合っていたからでしょう。批判している人たちこそが、「偏差値信仰」「東大信仰」に囚われている。メディアが「偏差値70超」「東大現役合格者数29人」とか報じていることも大きいのでしょうけど。茂木:たしかに。その意味で、今回、筑波大附属の一般入試を受けられて、一般の「受験戦争」に巻き込まれる形になったのは残念です。尾木:「試験も受けずに入ったのか」という批判が起きることに配慮されたのでしょうか。茂木:アメリカにはSATという進学を希望する高校生が受ける共通テストがありますが、こんなペーパーテストはいらないというのが、アメリカの教育界の潮流です。尾木:コロナ禍以前からSATを使わない大学が、大幅に増えていますね。茂木:偏差値などという指標を使っているのも日本くらいです。偏差値なんて、受験産業の人たちのメシのタネに過ぎない。尾木:日本の偏差値というのは従来の5段階評価を50段階に細かく分けたようなもので、学力を示す指標ではない。本当に大事なのは学ぼうとする「意欲」なんです。茂木:悠仁さまは、東大への進学を希望されているのかもしれませんが、将来天皇陛下になられる方が「学びたい」というなら、東大側も総合的に判断して受け入れるのが筋で、ペーパーテストも不要だと思います。米ハーバードでも英オックスフォードでもそうするでしょう。尾木:早稲田大学と東北大学の資料によると、過去10年間の学生の成績が一番いいのはAO入試(※1)の学生だったんですね。【※1:アドミッションズ・オフィス入試。一般の入学試験の代わりに小論文、面接などで人物を評価し、入学の可否を判断する選抜制度】茂木:いいデータですね。尾木:私が教えている法政大学でも1割くらいがAO入試組ですが、やはり一番成績が伸びる。一番伸びないのが、早稲田とか第一志望の大学に落ちて法政に進学した学生。受験で疲弊したうえに報われず、「自分はここに来るはずじゃなかった」と1年生の秋頃まで引きずる。だけど、AO組は大学でこれを学びたい、あれをやりたいと喜びいっぱいで入ってくる。茂木:早稲田も法政もいい大学で、上も下もない。なのに、学生が腐ってやる気を失ってしまうのは、偏差値で大学をランク付けするからです。予備校の人たちに言いたいんですが、それぞれ個性の異なる大学を偏差値だけで一括りにして、「MARCH(マーチ)」(※2)とか「日東駒専」(※3)と呼ぶのはなんなんだ、いい加減にしろ!(笑)【※2:東京都ならびに関東地方に本部を置く私立大学群を指す言葉。明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学のアルファベット表記の頭文字を並べたもの】【※3:東京都に本部を置く私学大学群を指す。日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学の漢字表記の頭文字を並べたもの】尾木:まあまあ、落ち着いて(笑)。茂木:私はいわゆる「Fラン大」(※4)と呼ばれる大学で学生とトークをして、非常にユニークな活動をしている優秀な学生がいて驚いたんですが、「大学名を言えない」と嘆いていた。そういう社会っておかしいです。(※4:予備校が作った造語のため、明確な定義は存在しないが、「定員割れにより偏差値が算出できない大学」を指すことが多い)尾木:そう思います。茂木:僕はすべてAO入試にすべきだと思っているんです。「学力と比べて公平じゃない」とか批判もあるけど、一般入試のペーパーテストの点数自体が陳腐で、人間の能力のごく一部しか測れないナンセンスなものです。AO入試は人間の学び、活動の多様性などを総合的に判断するものなので、むしろ科学的です。尾木:中学や高校では2年ほど前からアクティブラーニングという体験型、探究型の学習に切り替えようとしていましたが、コロナで元に戻ってしまいまった。茂木:コロナを逆手に取って、塾や予備校は、「学校の勉強だけじゃ入試は危ない」と余計に煽っている。東大に合格して人生を変えろなどと、受験を美化する漫画も多い。どんどんおかしな方向へ進んでいます。(第4回へ続く)【プロフィール】尾木直樹(おぎ・なおき)/教育評論家、法政大名誉教授。1947年生まれ、滋賀県出身。早稲田大学卒業後、私立高校、公立中学の教師に。その後大学教員に転身し、合計44年間教壇に立つ。「尾木ママ」の愛称でテレビなどのメディアに出演。『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著、小学館新書)など著書多数。茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)/脳科学者、作家。1962年生まれ。東京都出身。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)など著書多数。※週刊ポスト2022年3月11日号
2022.03.03 07:00
週刊ポスト
東大生を特別扱いするメディアに違和感も(左から茂木健一郎氏、尾木直樹氏)
【対談】尾木直樹×茂木健一郎 東大生を特別扱いするクイズ番組への違和感
 東大前刺傷事件や大学入学共通テストでのカンニングなど、受験をめぐるトラブルが相次いでいる。教育現場ではいったい何が起きているのか。教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談した。【全4回の第2回。第1回を読む】 * * *茂木:私のもとには、中学受験を控えた子のお母さんがよく相談に来るんですが、「うちの子は東大に入って、クイズ番組に出るような人になりたいって言うんです」と。尾木:ええーっ? そんな子がいるのー?茂木:いるんです。まだテレビには影響力がある。尾木:それは悲しいわ。茂木:受験教育が行きすぎた結果として、「東大信仰」が強くなりすぎているように思います。それにはメディアが煽っている側面が大きい。尾木:東大で「学びたいことがある」と志して、勉強するのならいいんだけど……公の電波を利用するメディアには社会的な責任があります。茂木:私は昔、『高校生クイズ』の司会をやっていたので、その頃から“東大王”伊沢(拓司)君を知っていますが、クイズをビジネスにつなげていくという、彼の戦略や生き方は素晴らしいと思います。ただ、彼自身も東大とクイズが結び付けられていることは、あまりいいこととは思っていないと聞いています。クイズはあくまで競技であって、本来東大だろうが何だろうが、関係ない。尾木:東大を特別扱いしているのが問題です。茂木:『高校生クイズ』にはクイズのガチ勢が集まってきて、進学校だろうが無名の高校だろうが関係なく、ガチンコでやることに価値があった。東大生が特別扱いされることは、ガチ勢にとって迷惑でもある。尾木:ああした番組で問われているのは、東大で学んで培った力ではなくて、中学受験の塾で勉強した知識なんですよ。茂木:『東大王』といった番組のネーミングも東大生に失礼だと思う。あんなことを勉強しているのかと思われかねない。尾木:私も別のクイズ番組に出演した際、「発想力や創造力が発揮されるようなクイズ番組はできないの?」と番組スタッフに提案したんですが、一時期、そういう方向でやってみたけど受けなかったんですって。ゲーム性が大事だと。茂木:正解・不正解がはっきりしていて、ポイントを積み重ねて勝つと。入試と一緒ですね。尾木:ああいうクイズで持て囃されて、彼らはプライドが傷つかないのかしら。(第3回へ続く)【プロフィール】尾木直樹(おぎ・なおき)/教育評論家、法政大名誉教授。1947年生まれ、滋賀県出身。早稲田大学卒業後、私立高校、公立中学の教師に。その後大学教員に転身し、合計44年間教壇に立つ。「尾木ママ」の愛称でテレビなどのメディアに出演。『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著、小学館新書)など著書多数。茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)/脳科学者、作家。1962年生まれ。東京都出身。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)など著書多数。※週刊ポスト2022年3月11日号
2022.03.01 16:00
週刊ポスト
教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談
【対談】尾木直樹×茂木健一郎 受験を語る「東大前刺傷事件は息苦しさの象徴」
 東大前刺傷事件や大学入学共通テストでのカンニングなど、受験をめぐるトラブルが相次いでいる。教育現場ではいったい何が起きているのか。教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が緊急対談した。【全4回の第1回】 * * *茂木:今年1月、大学入学共通テストの試験会場だった東大のキャンパス前で、17歳の高校生が3人を切りつけたのは、今の受験システムの息苦しさを象徴した事件でした。尾木:彼が通っていた中高一貫校は14年連続国公立医学部医学科合格者数全国ナンバーワンで知られています。この学校には何回か講演に伺っていて、受験実績だけじゃない面をよく知っています。たとえば東日本大震災の際には金曜に生徒をバスに乗せて、日曜までボランティアに行っていたんです。茂木:ええ? すごい。尾木:医学部への進学が3人に1人と多いのも、こうした活動で医者になりたいという生徒が多くなっているからだと思うんです。ほかにもミュージカルの「宝塚」のパロディーで男子生徒が女装して舞台をやったり。男性でありながら女性になって、男性を演じるという難しいことをやる。茂木:面白い。シアターエデュケーション(演劇を通じた教育)にジェンダー教育も入っている。尾木:事件を起こした生徒は、この中高一貫校に高校から入ってきたんですね。生徒数の1割しか高校入学組はいません。この高校では特別な受験指導や授業はやらない。そんななか、高2の段階で「東大医学部は無理」となって、心が折れてしまったようです。茂木:あの生徒も塾に通ってものすごく受験勉強して入学したんでしょうが、入ってみたら別世界だったと。尾木:高校側は声明で、「コロナのせいで、今まで一番大事にしてきた密な体験やボランティア活動の大部分が中止となり、学校からのメッセージが届かなかった、もっとその影響に気がつくべきだった」という主旨の反省をしていました。つまり、良さがそぎ落とされた結果、単なる受験校のようになっちゃったということでしょうか。茂木:コロナで大事なプロセスが抜けてしまったから、「東大医学部に合格する」ことに囚われた生徒が出てきてしまった。尾木:あの高校で起きたことは他の受験校でも起きがちなので、学校側はそのリスクを自覚しないといけません。(第2回へ続く)【プロフィール】尾木直樹(おぎ・なおき)/教育評論家、法政大名誉教授・1947年生まれ、滋賀県出身。早稲田大学卒業後、私立高校、公立中学の教師に。その後大学教員に転身し、合計44年間教壇に立つ。「尾木ママ」の愛称でテレビなどのメディアに出演。『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著、小学館新書)など著書多数。茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)/脳科学者、作家。1962年生まれ。東京都出身。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)など著書多数。※週刊ポスト2022年3月11日号
2022.02.28 16:00
週刊ポスト
フジ「朝の顔」永島優美アナの「ノーバン」を尾木ママが絶賛
フジ「朝の顔」永島優美アナの「ノーバン」を尾木ママが絶賛
 朝の情報番組の視聴率争いが激しい。この春に各局が大規模な改編を行ない、フジテレビでは小倉智昭がメインキャスターを務めた『とくダネ!』が22年の歴史に幕を下ろし、谷原章介をメインに据えた『めざまし8』がスタートした。その谷原の相棒に抜擢されたのが同局の永島優美アナだ。『バイキング』や『めざましテレビ』などでキャスターを務めた情報番組のエースだけに、キャスター経験の浅い谷原を絶妙にアシストして番組の好調を支えている。『とくダネ!』時代からコメンテーターを務める教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏は、新番組のここまでの成功は永島アナの力量が大きかったと見ている。「番組の内容はコンセプトから何からガラッと変わりましたから、スタートする時はどうなるか心配でしたけど、永島アナは、この番組にはこの人しかいないっていうくらいハマっていますね。番組のスタート直前に結婚されたこともあり、初めから落ち着いていました。 最近、彼女が野球の始球式をしたのを見たのですが、ものすごくうまかった。きれいなフォームでノーバウンド投球してた。ダンスもすごく上手くて、運動神経がいいんですね。そういうなんでもやるところも視聴者に受け入れられていて、朝の時間にホッとして見ることができるんでしょうね。これまでたくさんの情報番組に出て女性アナウンサーもたくさん見てきましたけど、カミソリのように切れる人もいれば、バラエティタイプの人もいて個性豊かです。永島アナは一見、とんがった個性がないように見えますが、実はそれが彼女の個性で、あれほど安心感を与えられるキャスターは初めてです」 永島アナの父はサッカー元日本代表の永島昭浩氏。小学校からダンスに打ち込んだというだけに、身体を動かすことに関しては女子アナ界でも抜きん出ている。谷原がソフトでおっとりした印象だから、二人のコンビネーションもいいのだろう。 尾木氏は、『めざまし8』はまだまだ発展途上の番組だと語る。「『とくダネ!』はニュース性や企画性が高い番組でした。そこからどう変えていくか、『めざまし8』は模索しているところだと思います。半年経ってこれから何を打ち出していくか、いろいろと苦労されているようです。なんとなくこの頃はエンタメ系が強くなっている気はします。それはそれで楽しくていいですね。コロナや選挙などの話題も取り上げますが、他局の番組とはちょっと違った側面のエピソードや、政治家でも人間性にフィーチャーしたりして特徴を出そうとしていますね。もちろん京王線の事件などは真正面からニュースとして扱っていましたし、臨機応変だと思います」 ニュース中心の堅い構成でもなく、それでいてワイドショーとも違うという難しい番組を切り盛りしているのが永島アナというわけだ。女子アナ評論家の丸山大次郎氏も、永島アナのキャラクターの勝利だと評価する。「番組自体は基本的な情報番組路線で、ニュースもやるけどフランクなネタも扱い、どっちつかずな印象です。でもそれが悪い方向には行っていない。永島さんは意外と天然で、ニュースではない部分で話題になることがよくあります。どっちのカレーが売れているか? という番組内のクイズで永島さんだけ正解したことがあるのですが、彼女はワーッとはしゃいでセーブルのセットを壊し、資料を床に撒いてしまったこともありました。不思議な番組のなかで、ちゃんと自分を出せる立ち位置を見つけていると思います。谷原さんのぶっちゃけトークにツッコミを入れるなど、二人の相性もうまくいっていますね」 このまま「朝の女王」に駆け上がれるか注目だ。
2021.11.08 07:00
NEWSポストセブン
尾木ママも絶賛!オランダで人気「イエナプラン教育」でどんな子どもに育つ?
尾木ママも絶賛!オランダで人気「イエナプラン教育」でどんな子どもに育つ?
「イエナプラン教育」はオランダでたいへん人気があり、評価されている教育方法です。日本での注目度はまだ高くありませんが、「モンテッソーリ教育」や「シュタイナー教育」などと並び、子どもの個性を尊重する教育プランとして知られています。この新しい教育方法で、子どもたちはどのように育つのか、プランの特徴とともに探っていきましょう。オランダで発展した「イエナプラン教育」イエナプラン教育は、もともとドイツのイエナ大学で研究されていた教育プランです。しかし第二次世界大戦のためドイツ国内では広がらず、1960年代になってからオランダで発展を遂げました。オランダは教育に関してたいへん自由で、法的な制約が少ない国です。2017年ごろには、全体の3%ほどの小学校がイエナプランを採用して教育を実施しています。尾木ママも絶賛「20の原則」教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんも、イエナプラン教育を高く評価しているひとりです。イエナプランには「20の原則」があります。「人間について」「社会について」「学校について」という項目で、それぞれにプランの指針が示されています。イエナプラン教育を採用する学校は、これらの原則に基づいて子どもたちの生活や学習をデザインしていくのです。そのため同じイエナプラン教育をおこなう学校でも、活動の細部には独自性があります。「20の原則」では人間は一人ひとりに価値があり、尊重されるべき存在であること、それぞれが社会を作っていく責任のある市民であること、学校は個人を尊重したうえでお互いに学びあう場所であることが示されています。日本初のイエナプランスクール 長野県「大日向小学校」イエナプラン教育は日本でも徐々に注目されつつあります。2019年には長野県佐久穂町にある大日向小学校が、日本初のイエナプラン認定スクールとして開校しました。学校では、イエナプランの基本である「20の原則」のもと「対話・遊び・仕事(学習)・催し」のサイクルで子どもたちが生活をしています。1日は8:30からの対話にはじまり、14:45からの対話で終わります。子どもたちが学校にいる時間は、普通の小学校とかわりありません。ほかに広島県福島市も官民共同の学校開校のために準備を進めています。今後、イエナプラン認定スクールが日本でも増えていくかもしれませんね。日本の学校との違い「イエナプラン教育」の特徴イエナプラン教育は、日本でおこなわれている既存の教育方法とは大きく異なります。その背景には欧州諸国における個人の人権尊重の意識と、国民が求められる市民としての役割の重要性があります。日本において子どもは未成熟な存在であり、大人が教え導く必要がある存在として教育がおこなわれてきました。イエナプラン教育では自ら学ぶ主体性を持ったひとりの人間として子どもの人権を尊重し、ともに学びあう環境づくりを特徴としています。異年齢グループで学ぶ日本と大きく異なるのは、学年という概念がないことでしょう。イエナプランでは異年齢でグループを作り、お互いに教え学びあう環境をつくります。大きな枠組として子どもたちを4~6歳、6~9歳、9~12歳の3つのグループに分けています。4~6歳は日本でいえば幼稚園や保育園にあたる年齢ですが、彼らも幼いなりに自主的に学び、選択し、対話をしながら日々生活します。発達段階の異なる子どもたちがお互いに助け合いながら学ぶことで、思いやりや協調性が自然に身につきます。できることに差や違いがあって当たり前になるので、いじめや差別も起こりにくい環境になるのです。テストも教科もなし!自分で学ぶイエナプラン教育にはテストも宿題もありません。他人と比べることが重要ではなく、また絶対評価の基準となるような「この年齢で習得しておくべきこと」も明確ではありません。そのかわりリフレクション(振り返って見直すこと)という考え方が大切にされます。自分の発達についてリフレクションすることは、昨日の自分と今日の自分の違いを知ることです。自分に足りないものはなにか、自分がさらに学びたいことはなにか、自分自身で考え課題を設定し、自ら学ぶのがイエナプラン教育のスタイルです。日本でも「総合的学習の時間」が取り入れられ、自ら課題設定をして学ぶという手法は一部取り入れられています。教室はリビングルーム日本の小学校での机の配置を見てください。列になって子どもたちはみんな教卓のほうを向いています。授業中は立って歩いたり机を移動させたりすれば、先生に怒られてしまいますね。チャイムが鳴り「起立、礼、着席」と号令をかけられ、授業が始まるのが普通ではないでしょうか。学校は勉強するところと教えられます。ところがイエナプラン教育では、教室はリビングルームと教えられます。そこは生活の場であり、子どもたちは家族や兄弟のようにリラックスした雰囲気で対話します。先生は指導者ではなくファシリテーター(目的を達成するために手助けする人)です。イエナプラン教育の教室はグループで話し合ったり、作業するためのテーブルがいくつも置かれ、読書コーナーやパソコンコーナーがあり、子どもたちは自由に席を立ったり移動したりしています。「イエナプラン教育」でどんな子どもに育つ?イエナプラン教育の様子を知ると、その自由度の高さに驚きます。子どもがそこまで自主性を持って主体的に活動できるとは、とても信じられないという人もいるでしょう。イエナプラン教育ではなにを学ぶか、どのように学ぶかという目的や方法を自分で考える方法を身に着けることができるのです。教師の役割は子どもたちに課題を与えることではなく、方向性をアドバイスすること。イエナプラン教育で子どもたちはどのように成長するのでしょうか。自分の頭で考え、学び続ける子どもイエナプラン教育は自分の頭で考えられる子どもを育てます。子どもたちは自分の好きなことであれば、自主的に知識を取り入れ自ら学ぼうとし続けます。小さな子どもが電車の名前をたくさん覚えていたり、難しい工作をひとりで作り上げたりする様子を見たことはありませんか。子どもたちは自分の好きなことについては、大人に命令されなくても貪欲に知識を吸収し、創意工夫をします。イエナプランでは学びたいこと、学ぶ方法について、自分で計画を立てて勉強を進めるよう教師がアドバイスしていきます。自ら考え、学ぶ習慣をつけた子どもは、中学や高校、大学に進学しても、自分で課題を見つけて学び続けられる人になるでしょう。他者を尊重し、多様性を認められる子どもイエナプラン教育における学びは、グループでおこなわれます。ディベート(討論)というよりは、ダイアローグ(対話)が重視されるため、人の意見をよく聞き、協力することが求められます。その過程で自分以外の他者を尊重する心が芽生えていくのです。またグループは異年齢で構成されるので、各人の能力や経験に差があるのが当たり前。人と比べて優劣を競うのではなく足りない部分を補ってあげたり、自分も助けられたりしながら一緒に成長していくことで、「いろいろな人がいる」と自然に理解し、多様性を認められるようになります。他者に認められることで自己肯定も高まっていくでしょう。おわりにイエナプラン教育はオランダで発展した教育プランです。日本の教育とは異なる点も多く、教師と保護者の連携も密におこなわれています。日本でイエナプラン教育を受けられる学校はまだ少ないですが、学校によっては「総合的学習の時間」や「他学年との交流」など、イエナプラン的なプログラムを取り入れているところもあります。地域の学校でどのような教育プランが策定されているのか、教育委員会のHPなどで調べてみてはいかがでしょうか。※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
2020.12.10 10:00
たまGoo!
密を避けた結果、奇妙な運動会に?(イメージ)
コロナ後の運動会 2mバトン、1人1球玉入れ、口パクソーラン
 運動会シーズンに異変が起きている。“ソーシャルディスタンス”を意識しすぎるがゆえに、珍妙な「新プログラム」が続々と登場しているのだ。 今年の小学校の運動会は、“密”を避けるための様々な工夫が講じられている。 多く見られるのが観覧する保護者は児童1人につき1人まで、という人数制限だ。飛沫感染を防ぐ目的から競技中の応援も声を出さず、「頑張れ!」と書かれたプラカードを掲げる試みもある。 競技種目も大きく様変わりした。例えば、花形種目の「リレー競走」。各チームがバトンをつないで一生懸命に走る姿を、観客席の保護者らがハラハラしつつ見守るのがお決まりだが、今年は一風変わった「ハラハラ」が繰り広げられている。 神奈川県内の小学校では、長さ2メートルのウレタン製の棒にビニールを巻きつけた「ロングバトン」を使用。自分の背丈より長いバトンに振り回される児童の姿が話題になった。 茨城県内の小学校のリレーでは、バトンを受け渡す代わりに、次走者の腰に吊るされた約1メートルのテープを引き抜く「テープリレー」が行なわれた。「しっぽ取り」と呼ばれる鬼ごっこをヒントに考案されたという。 定番競技「玉入れ」もガラリと生まれ変わった。 前述の神奈川県の小学校では、半径2メートルの円の中央にカゴを設置。円の外周をぐるりと囲んだ児童が1人1球を投げ入れる。全員が見守る中で1人ずつ順番が回ってくるため、児童たちは緊張した面持ちで“一球勝負”に挑んだという。 熊本県内の小学校では、「ダンシング玉入れ」なる競技が登場。玉入れ競技中に突如として音楽が鳴り響き、そのタイミングで児童らがカゴから離れ円になってダンスをはじめる。この一風変わった競技は、「密」になる時間を少しでも減らすことが狙い。玉入れとダンスが同時に撮影できると、保護者からは好評だったとか。綱引きは「1メートル間隔」 集団でのダンスも従来通りとはいかない。「ソーラン節」を踊る学校では、お馴染みの「ヤーレンソーラン」「ハイハイ」「どっこいしょ」などの掛け声はすべて“口パク”に。しかしそれでは盛り上がりに欠けるということで、掛け声を記した大きなボードを児童らが掲げながら踊った。「綱引き」も、これまでのやり方では“密”を避けられない。 神奈川県内の小学校で実践されたのが、「ソーシャルディスタンス綱引き」だ。それぞれが1メートル以上の間隔をあけて綱を握ったというが、それではクラス全員が一度に参加できないため、数回に分けて実施することになった。 従来種目を「コロナ仕様」にアレンジするだけではなく、新種目も登場した。 北海道のある小学校の「ナイスキャッチ」と名付けられた競技では、板の片側に受け皿があるシーソーのような装置をグラウンドに置く。2人1組になり、ペアの1人が受け皿にボールを置いて、反対側の板の端を踏みつけると、ボールは勢いよく空中へ飛び上がる。それを相棒がキャッチしてからゴールへ進み順位を競う。接触や密集を避けながらチームプレーを楽しめるため、騎馬戦や二人三脚の代わりとして考案された。尾木ママは「大賛成!」 各校がコロナ対策の工夫を凝らした“珍運動会”には、賛否の声が上がっている。教育評論家の石川幸夫氏が言う。「学校側は“やり過ぎ”と言われるくらい徹底することで、“万が一”の時の免罪符にしようとしているのではないか。もし運動会でコロナ感染者が出れば、『学校の管理がなっていない』と批判されかねない。保護者や社会の目を気にし過ぎて過剰に対応している現状がある」 一方、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏は、変化をポジティブに捉えている。「今年は新たな運動会のスタイルを子供たちと先生方が工夫し、これまでのワンパターンの運動会を見つめ直すいい機会になっています。例えば普通のリレーなら足の速い子の有利は揺るがないが、巨大なバトンを使えば持ち方や身体のバランスの取り方などで足の遅い子が活躍する可能性も出てくる。そうした多様性が、思いがけない発見や体験を得ることに繋がるでしょう」 コロナ禍で突如出現した珍プログラムは、「新しい運動会様式」として定着するだろうか。■イラスト/福島モンタ※週刊ポスト2020年10月16・23日号
2020.10.06 16:00
週刊ポスト
尾木ママから子ども達へ「コロナ後、不登校の概念なくなる」
尾木ママから子ども達へ「コロナ後、不登校の概念なくなる」
 新型コロナウイルス感染防止のため、多くの学校が長期休校となり、子どもたちも大きな不安を抱えていることだろう。そこで、教育評論家・尾木直樹氏(73才)が、子どもたちにメッセージを送る。【プロフィール】滋賀生まれ。法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。中高大学で合計44年間教壇に立ち、子どもを主役としたユニークな教育実践を展開。「尾木ママ」の愛称で活躍。近著に『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館新書)。 * * * ストレスをためるな。不安にならないで。こんなことを言うつもりは一切ありません。そんなこと、私たち大人だって無理なんですから。誰もが初めての経験です。だからみんな困っているんです。 困るとどうなるか。必ずしわ寄せは「弱者」にいきます。 厚生労働省が1月から3月の児童相談所で虐待として対応した件数を発表したけれど、案の定、数字が伸びていました。1月は前年比22%増し、2、3月は1割増し。4月はもっと増えるんじゃないかと、本当に心配しています。 徐々に再開する学校も増えてきていますが、元通りではありません。 学校は、勉強の遅れを取り戻そうと、あなたたちに復習だけでなく、予習を強いているでしょう。課題や宿題の提出が多くて困っている、評価や6月の試験はやめて、という声も届いています。 だけど、わからなくても大丈夫。これからいくらでも取り戻すことはできます。いまできないからといって、自分を追い詰めないでください。 先日、お笑い芸人のパックンさん(パトリック・ハーラン)とお話しする機会があったのですが、「実はぼく、幼稚園を留年してるんです」だって。でも、そこでゆっくり成長できたことが逆によかったと言っていました。彼はハーバード大学の出身ですが、遠回りは無駄じゃなかったんですね。 いま大切なのは、勉強よりも自分の心の中にモヤモヤをためこまないこと。もし先生と話す機会があったら、なんでもいいから、あなたの気持ちを話してみて。先生だって、あなたたちの声が聞きたいんです。あなたが何に困っているか、知りたがっている。 いまニュースで「オンライン飲み会」って話題になってるでしょ? パソコンやスマホを使って、同じ時間に顔を見ながら話したり、お酒を飲んだり。 これ、あなたたちもやってみたら? 名付けて「オンラインおしゃべり会」。時間を決めて友達と集まって、愚痴をこぼし合うの。「お前んとこ、どう? うちは親がうるさくてさ」「うちはもっとひどいよ。両親がけんかしてばかりで」 こんな愚痴でいいんです。「オンラインおしゃべり会」ができないなら、LINEだっていいし、電話で話してみるのもいい。どんな些細なことでも、口に出し合って、その思いを共有すれば、心は少しは楽になります。 自分ひとりでできることもあります。 おすすめは、植物を育てること。お野菜でもいいし、お花でもいい。毎日お世話をしてあげてください。植物が成長する姿を見ていると、心が癒されるし、生命力のたくましさなどに気づくんじゃないかしら。 料理もいいですね。いま、3食家族で食べることが多いですよね? 作る親も大変です。 だったら、あなたも作ってみたらどうかな? YouTubeにも料理の手順はたくさんあります。失敗したって構わない。何度だってやり直しはできます。あなたががんばって作った料理に対して、家族が喜んでくれるといいわね。 コロナについて調べることもやってみてほしい。これは実際に、東京の私立学校などが実践しています。そもそも、ウイルスとは何なのか、という科学的なアプローチに始まって、他国と比べて日本の対策はどうなのか、なぜPCR検査数が少ないのか、とアプローチすれば、行政を考える問いになります。 なぜ国民への補償が遅いんだろう、というのは政治の問題ね。メディアの取り上げ方も比較・研究できそうです。新型コロナウイルスひとつとっても、たくさんの「問い」が立てられます。自分で問いを立て、自分で調べてレポートを書いてみる。これは、ひとりでできる、立派な探究型学習ですね。 これまでは、朝遅刻せずに着席して、先生の授業についていく、「周りに合わせること」が評価されてきました。でもコロナ後は変わります。まず、不登校という概念はなくなるし、いつも友達と一緒にいて同調する付和雷同型のコミュニケーションは通用しなくなるでしょう。オンラインの授業では無口な子が活躍するかもしれない。いま必要なのは、自分で考えて自立すること。これから必要となる「生きる力」は大きく変わるのですよ。※女性セブン2020年6月4日号
2020.05.27 16:00
女性セブン
緊急事態の出口戦略 感染をどこまで許容できるか合意必要
緊急事態の出口戦略 感染をどこまで許容できるか合意必要
 5月31日まで延長された緊急事態宣言。安倍晋三首相は14日を目途に解除可否の基準を示すとしたものの、遅きに失した感は否めない。 論理的かつ具体的な“ゴール”が示されなければ、国民は疲弊するばかりだ。各分野の専門家は“望ましい出口戦略”をどう考えているのか。 延期で最も懸念されるのは「経済的な打撃」だ。経営者からは「当初の5月6日までの自粛と思って耐えたのに、補償なしで再延期は厳しい」との声が聞こえてくる。前東京都知事の舛添要一氏は、経済補償の重要性をSNSに投稿した。〈(休業補償、無利子融資などの)手続きは面倒だし、実行も遅い。10万円もまだ届かない。すぐに2度目の10万円を決め、宛名明記の小切手で送るべき〉 株式会社武者リサーチ代表で、ドイツ証券アドバイザーの武者陵司氏が、経営者の立場から訴える。「ウイルスと緊急事態宣言のせいで生活ができなくなることを回避する政策が必須です。特に経営者や自営業では、失われた収入のすべてを補填することは難しくても、少なくとも家賃と人件費、水道光熱費、通信費などの固定費部分は補償すべきです。解除後に営業を再開しても、固定費分のマイナスの補填に充てなければいけない状況は苦しい。固定費さえ補償があれば、再開後に廃業に追い込まれる人は激減するでしょう」 教育界への影響も甚大だ。安倍首相が2月末に休校要請を出し、緊急事態宣言で多くの学校が臨時休校となった。文科省によれば、その割合は9割以上にのぼる(数字は4月22日時点)。教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏が語る。「休校の長期化で、学力格差の拡大が懸念されます。オンライン授業の導入は、公立と私立、地域などで差があり、家庭内のネット環境にも左右される。一番望ましいのは学校の再開です。 ただ、再開には先生の力だけでは足りません。平時と同様に給食を提供したり、生徒がよく触る場所は頻繁に消毒しなければならない。消毒液の確保や、給食や感染予防のための人員確保が必要です。集団登校での感染防止のため、分散登校が望ましいですが、それには地域住民の見守り支援が必要な子どももいるでしょう。そうした包括的な支援が必要です」 最後に、数理モデルに詳しい滋賀大学データサイエンス学部の田中琢真准教授が言う。「感染者が完全にゼロになるまで自粛するのは非現実的です。感染症による死者を減らすために、経済的理由による自殺者のほうが増えてしまっては元も子もない。『感染者が出ることをどこまで許容できるか』について、社会的な合意を得ることが重要ではないか」 納得できる解除条件を──それこそが国民から政府への“要請”である。※週刊ポスト2020年5月22・29日号
2020.05.15 16:00
週刊ポスト
(写真/PIXTA)
コロナ禍で鮮明に 非常時に力を発揮できる人とそうでない人
 新型コロナウイルスによる臨時休校や外出制限、リモートワークなどにより、家族が四六時中、顔を合わせる生活が続いている。そしてそれは、子育てにも“過干渉”という名の影をも落として、子どもの成長に取り返しのつかない悪影響を及ぼしている――。“過干渉”からかけ離れた公立中学校がある。それは、不必要な校則や指導をすべてなくした東京・世田谷区立桜丘中学校だ。前校長である西郷孝彦さん(65才)の「子どもに不必要な干渉をせず、子どもを信じて、子ども自身に任せる」という教育は全国的に知れ渡り、著書『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著・尾木直樹、吉原毅)、『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール』も好評だ。◆干渉されない時間が自主性を育む 西郷さんが校長を務めた桜丘中学校をこの春卒業したばかりのある男子生徒は、コロナ禍に動じる様子があまりない。そのことにいちばん驚いたのは、母親だった。「息子は春から都内の高校に入学しましたが、1日登校しただけで、休校が続いています。さぞ不安を抱えているだろうと聞いてみたのですが、“どんな状況でも、その中でやりたいことや楽しみを見つけるだけ”と、サラッと言ってのけたんです」(男子生徒の母親) この男子生徒が特別なのではない。こうした考え方は、「桜丘中学校の“干渉されない3年間”で身についた」と、ほかの卒業生も、口をそろえる。「西郷校長(当時)は、常々、“勉強ができることだけがすべてじゃない”“一人ひとり違っている方がいい”とよく話してくれました。“ならば、自分の得意なこと、やりたいことはなんだろう”と考えるクセが、桜丘中の3年間で身についたと思います」(卒業生) 先の生徒の母親が続ける。「息子は、受験する高校を自分で探して、決めました。もともとは控え目で自分の強みを見つけようともがいていた息子ですが、この3年で“自分の力”を信じられる人間に変わっていきました。ハラハラしながらもなるべく口出しをせず、子どもを信じて任せるようにしたことで、息子がしっかりと“自分”というものを持てる人間に成長した。親としてはこれほどうれしいことはありません」◆“他人の評価”が指標だと非常時に思考がフリーズ だが、非常事態のいまの日本では、逆の動きが起きている。個人の判断や考えを軽視し、「こういうときはお上の言うことに黙って従え」と公然と口にする識者や有名人まで現れた。そして、同調しない人間を口撃する。『「過干渉」をやめたら~』の著者の1人で、麻布学園理事長を務める吉原毅さんは、コロナ禍における同校の対応が予想を超えて早かったことに驚いたという。男子校の麻布学園は私立の中高一貫校で、生徒はもちろん、教師の自主性も重んじる校風がある。「麻布の休校は、国から要請があったからではなく、生徒の安全を最優先しようと、現場の先生が決めたことでした。伝統的にフェイスtoフェイスの対面教育に力を入れていたため、半面、ICT(情報通信技術)教育に後れをとっていました。ですが、社会が一瞬にして激変した瞬間、ICTにも力を注ぐべきと、即、舵を切りました。 しかも、理事会が動く前に、気づけばクラスや学年単位でSkypeやZoomを使った授業が始まっていた。横並びを気にしたり、上からの指示を待つのではなく、教師一人ひとりの判断で、“いま必要なことは何か”と考え、行動に移していました」(吉原さん・以下同) 城南信用金庫の顧問でもある吉原さんは、ビジネス界における混乱も、日々、目の当たりにしている。吉原さんによれば、コロナ禍でも力を発揮できる人材と、そうでない人材とに二分されたという。「日本の企業の多くは、人事評価に業績評価を取り入れ、規則で縛っています。実はこれが、日本経済を弱体化させている。上から評価されることを行動の軸に置いてしまうと、自分の頭でものを考えなくなるからです。行動理由が常に外発的動機で、どうやったら周りから評価されるかが判断基準になってしまい、“困った人をどう救うか”“自分に何ができるか”という発想が出てこない。すると、イレギュラーな事態に思考が停止して、適切に行動できなくなる。もちろん、危機的状況を打ち破るような、新たな打開策など生み出せません」 吉原さんは、そもそも日本のリーダー・安倍晋三首相が、外発的動機で行動していると指摘する。「布マスク2枚の配布も星野源さんの動画コラボも、“これをやったら、ウケるだろう”という自己保身の考えが根底にあるのだと思います。つまり、“人のため”ではなく、“自分のため”。しかも周囲には、“言われたとおりにやれば怒られない”という指示待ちの部下が集って、助言すらできない。適材適所の人物が力を発揮して早々にコロナを制圧した台湾政府とは大違いです」 桜丘中を卒業した前出の男子生徒は、コロナ禍後の社会が、もしおかしな方向へと変わってしまったらどうするかという質問に、こう答えた。「そのときは、自分たちで、社会を正しく変えていけばいいだけのことです」 干渉より、ただ見守る。そんな環境で育った15才の方が、どこぞの首相より、強いリーダーシップを感じさせる。※女性セブン2020年5月21・28日号
2020.05.11 16:00
女性セブン
今後の活動予定を語った(撮影/浅野剛)
校則廃止中学の前校長「何もしない時間は子どもの成長に必要」
 全国に先駆けて2月27日から小中学校の一斉休校を行った北海道。札幌市児童相談所に寄せられた3月の児童虐待通告件数は、約150件。これは、前年同月比の1.5倍の数字だ。明らかにコロナ自粛は、家庭、ことに子どもを追い込んでいる。 それは日本に限った話ではない。国連のアントニオ・グテーレス事務総長はビデオ演説(4月16日=米現地時間)で、児童虐待やDVの兆候を早期につかむ重要な仕組みが失われ、本来ならば守られるべき場所で子どもたちが暴力にさらされていると警鐘を鳴らした。 外出できないいら立ちから、机に向かわず一日の大半をダラダラ過ごすわが子が目に入れば、つい小言を言いたくなる。怒鳴りつけてしまうこともあるはずだ。ではこの悪循環から、どう脱却すればいいのだろうか。『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館新書)の著者の1人で、教育評論家の尾木直樹さんは、「そうした気持ちになることは充分理解できる」としながらも、こうアドバイスする。「いま私たちは、この先どうなるのか見通しが立たず、言いようのない不安にさいなまれていますよね。でも、考えてみてほしい。子どもだって、同じようにストレスや不安にさらされているということを。 コロナ禍でダメージを被っているのは、大人も子どもも同じこと。いまは、わが子をか弱い存在としてではなく、“困難な時代をともに乗り越えていく同志”ととらえてほしい。家族=仲間として、この難局を乗り切るのです」 さらに尾木さんは、子どもの不安を解消するのに必要なのは、「言う」ことではなく「聞く」ことだと話す。「小言は横に置いて、まずは子どもの声を聞いてください。“その不安な気持ち、わかるよ”のひと言が、お子さんを救うはずです」(尾木さん)◆何もしていない時間が脳を育てる 同じく同新書の著者で、校則ほか学校における不必要な干渉を排した学校として知られる東京・世田谷区立桜丘中学校前校長の西郷孝彦さんは、「いまこそ一歩引いて子どもを見守ってほしい」と話す。「外にも出られず、家にいる時間が長い分、勉強など親が重要視することに費やす時間より、ダラダラと過ごす時間の方がどうしても長くなる。そんな子どもを見て、ついイライラしてしまうでしょう。 でも、考えてみてください。人生でこんなに何もしなくていい時間を過ごせることなど、そうあるでしょうか。65年間の私の人生を振り返っても、学生時代は勉強や部活、教員になってからは常に時間に追われ、これほどぼんやりできる時間はありませんでした。 子どもにとって、この“何もしていない時間”こそが、成長のために必要な時間なのです」(西郷さん・以下同) 実際、ボーッとする時間に脳で記憶を整理したり、無意識が浮かび上がって、いいアイディアがひらめいたりするといわれる。それは大人も同じだ。「“窓辺で何もしないで、ボーッとしている時間が本当の時間である”と言ったのはフランスの作家、フランソワーズ・サガンだったでしょうか。私もいま、その言葉をかみしめています」 西郷さんはこの時間を、突然プレゼントされた“自由な時間”と考えてほしいと語る。「お子さんが、勉強以外に打ち込める好きなことを発見したら、大成功です。ゲームをやりすぎているんじゃないか、という心配もわかりますが、やりつくせばいずれ飽きます。子どもたちは、自分の不安をゲームで埋めているともいえる。そのことに気づいて、大人はただ見守ってあげていれば大丈夫。彼らには、親から何も言われずとも成長する力があります。 アメリカの児童文学作家のE・L・カニグズバーグは、『ベーグル・チームの作戦』の中で、《(成長の大部分は)ひとりでいる時に起こる》と書いています」 西郷さんが、実践してきた教育は、「子どもに不必要な干渉をせず、子どもを信じて、子ども自身に任せる」というものだった。 家で子どもと一緒にいる時間が長いからこそ干渉がすぎれば、子どもの、自分で考えて行動するという思考に悪影響を及ぼしかねない。「学校に行かない時間」とは、言い換えれば「子どもが自分の頭でものを考える時間」でもある。 尾木さんも言う。「文科省や各自治体は、休校した分を、夏休みの削減や補習で対応しようとしています。でもこの考えは、非常にナンセンスです。なぜ“授業時数”を気にするのでしょうか。学校での学習は本来、“履修すれば終わり”ではありません。大事なのは“習得”することです。いまこそ日本は、履修主義から習得主義へと転換すべきではないでしょうか」 文科省は学習指導要領を約10年ぶりに改訂し(2020年度より小学校、2021年度より中学校で実施)、大きく「生きる力」の習得を打ち出している。「新しい学習指導要領は教え方にも踏み込んでいるのですが、そこでうたわれているのが、アクティブ・ラーニングです。日本語でいうなら、“主体的・対話的で深い学び”です。たとえばすでにある中学校では、新型コロナウイルスについて調べることを課題として出し、その成果を学校のホームページで公開しています。これこそ主体的な探究型学習といえるでしょう。詰め込み型授業の時間を確保して帳尻を合わせるのではなく、休校のこの時間を、探究型学習へと振り向ければいいのです」(尾木さん) そうはいっても、わが子にそれができるのか。言わなければ何もしないのではないか。そういった不安もあるだろう。だが、「言わなければ何もしない」のではなく、「言われ続けるから、言われるまで何もしない」子どもになる、と考えたらどうだろうか。※女性セブン2020年5月21・28日号
2020.05.09 07:00
女性セブン
桜丘中学校の前校長、西郷さん(撮影/浅野剛)
校則全廃中学を退職した前校長、「バーチャル校長」転身案も
 不必要な校則や指導をなくし、子どもが本来生まれ持つ“よりよく生きる力”を伸ばそうと考えた東京都世田谷区立桜丘中学校の前校長、西郷孝彦さん(65才)。その取り組みは、全国で知られるまでになり、著書『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(共著・尾木直樹、吉原毅)、『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール』も好評だ。NHK総合のドキュメンタリー番組『【ストーリーズ】ノーナレ』(5月11日月曜22時45分~)では、中学校長として過ごした最後の9か月に密着した様子が「校長は反逆児」とのタイトルで取り上げられる予定だ。 そんな西郷さんは今年3月に任期満了により桜丘中学校を退職。その後の活動予定については、語ってこなかった。「在職中に辞めた後の身の振り方を考えるのは、目の前にいる子どもたちに失礼だと思ったのです。とにかく、最後まで生徒のために走り切ろうとだけ考えていました」(西郷さん) 4月から別の学校で校長として迎えたいという申し出もあった。しかし、「いまは考えられない」と、西郷さんは首を縦に振らなかった。 西郷さんが10年かけて学校改革を行う間、実は、計り知れないほどの反発に遭っていた。それは主に外部からで、「校則を廃止して、社会規範の守れない子どもにする気か」「どうせスタンドプレーだ」「あの学校の生徒は、本当はひどいらしい」などと中傷する声もあった。まるで反逆児扱いだ。 ある生徒が話す。「桜丘中で何か新しいことをしようとすると、たびたびクレームがきて、計画が潰されそうになったこと、そして西郷校長がいつも矢面に立ってくれていたことを、実はぼくたちも知っていました。校長は一切、何も言いませんでしたが、誰かがどこかで聞いてきて、生徒同士で情報を共有していたんです。 ほかの先生がたも、とても親身に力になってくれていましたが、本当に困ったときは、校長が力を貸してくれる。そうなる前に解決できるよう、なんとかがんばりましたが、常に校長が見守ってくれているという絶対的安心感がありました」 扉がいつも開けっ放しだった桜丘中の校長室とその前の廊下に置かれた椅子やハンモックは、元不登校や教室に入るのがためらわれる子どもたちの大切な居場所となっていた。西郷さんに話を聞いてもらいにくる子もいれば、家庭のゴタゴタから逃れ、ホッとするためにそこにやってくる子もいた。 新型コロナウイルス感染防止のため休校が続き、逃げ場のなくなった子どもたちのケアをどうしたらいいのか、いまも西郷さんは眠れない日が続くという。 在職中、教員から生徒や保護者にメールやSNSで連絡を取ることは禁止されていたそうだが、ただのおじさんとなったいま、気がかりな子どもたちに「元気か?」「あの音楽アプリ、おすすめだよ」と何気ないメッセージを送り、関係を保ちながら様子を推し量っている。「日本中の子どもたちの居場所を作りたくて、ネット上に“バーチャル校長室”を作ろうと考えているんです」(西郷さん) 西郷さんが“みんなの校長先生”になる日を、多くの子どもが待ち望んでいる。撮影/浅野剛※女性セブン2020年5月21・28日号
2020.05.08 16:00
女性セブン
校則がない「麻布学園」理事長「過干渉が“指示待ち族”を生む」
校則がない「麻布学園」理事長「過干渉が“指示待ち族”を生む」
 私立中高一貫教育の男子校御三家の1つの麻布学園には、校則がない。「自由闊達・自主自立」を旨とし、生徒の自主性を徹底して尊重する。 理事長を務める吉原毅さんは、城南信用金庫の元理事長でもあり、ユニークで画期的な金融商品を次々と世に送り出したことで知られる。現在も顧問を務め、いわば経済界を代表する1人だ。その吉原さんは、規則やルールで縛る管理教育に疑問を持っている。新刊『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(尾木直樹氏、西郷孝彦氏との共著・小学館刊)を上梓したばかりの吉原さんが語る。「私たち人間は、何かしようとするとき、動機が必要です。動機には大きく2つあって、自分で『こうしたい』という衝動に駆られる内発的動機づけ(モチベーション)と、他人から指示されて行う外発的動機づけ(インセンティブ)があります。  家庭や学校教育で過干渉にされて育ち、規則やルールで縛られてきた人の大半は、“誰かに指示されたからやる”という外発的動機づけで行動する人間になります。つまり、評価や報酬、義務、賞罰といったものがないと、自分からは動こうとしません。いわゆる“指示待ち族”と呼ばれる社員になってしまうのです」(吉原さん・以下同)  こうした社員は、自分の頭で考えようとしないばかりか、人の目があるときだけ行動しがちだと吉原さんは言う。 「逆に、誰も見ていなければ、手を抜く。おまけにルールを守ることより、自分の損得を優先して動くようになります。いまは、財界だけでなく、政界も官僚も、そういう人材があまりに増えてしまいました」  最近の日本から、新しい技術や元気な会社が誕生しないのは、家庭や学校の“指示出し”という過干渉が原因だと、吉原さんは続ける。 「自由な教育を受けてきた経験をもつ社員の方が、明らかに伸びます。企業は自分の頭で考えて行動できる人を欲しがっています」  吉原さんが通った麻布学園では、受験を終えて入学してきたばかりの中学1年生に、勉強を強いることをしない。 「1年生のうちは、思い切り遊ばせます。そうやって受験勉強で凝り固まった頭をほぐしながら、本当に自分の好きなこと、熱中できることを見つけていくのです。この自由な時間こそが、将来、自分が活躍していく場を見つけるのに、大いに役立ちます」  麻布学園は、大学進学にとらわれず、すぐ社会に出て実業家として成功する人が多いのも、校風ゆえだろう。 ※女性セブン2020年4月16日号
2020.04.06 16:00
マネーポストWEB
休み時間に「雨が降ってきたので教室へ」と伝えた教員が注意されたワケ
休み時間に「雨が降ってきたので教室へ」と伝えた教員が注意されたワケ
 3月末に定年退職した「校則をなくした校長」として知られる東京・世田谷区立桜丘中学の前校長・西郷孝彦さんは、子供に干渉しすぎる「過干渉」を減らす取り組みをしてきた。西郷氏と教育評論家の尾木直樹さんらとの共著『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』(小学館刊)は、過干渉をやめたとき、子どもが成長をみせる理由について解説している。「過干渉」の線引きは難しい。子どものことを心配するのは、教員にとっても親にとっても、当たり前の感情でもあるからだ。将来を心配するあまり、つい「勉強しろ」「いい学校に行け」と口をついてしまう。その何が問題なのか──。 尾木直樹さんは、桜丘中学校でのあるエピソードに注目する。尾木さんは、自らがMCを務めるNHK Eテレの番組『ウワサの保護者会』で、実際に桜丘中学校を訪れたことがある。「桜丘中学校で、ある先生に伺った話がとても印象に残っています。その先生は、別の学校から同校に赴任してきたばかりでした。  ある日、休み時間に急に雨が降ってきたので、運動場で遊んでいる生徒に向かって、室内に入るよう放送で呼びかけたのだそうです。ところがすぐに、当時校長だった西郷さんから、“そんな放送はやめなさい”と注意されてしまった。その理由はこうでした。“雨に濡れるのがイヤなら、生徒は自分で教室に入る。濡れても楽しいと思うなら、そのまま遊ばせてあげればいい”。  これは非常に重要な視点です。校内放送を流した先生は、なんの疑いも持たず、むしろ子どものためを思ってしたことでしょう。ですが、子ども自身がどうするかを判断する前に、先生が“教室に入るべき”という考えを、無意識に押しつけてしまった。西郷さんは、それが過干渉だと考え、先生を注意したのでした。 このケースに限らず、多くの教育現場では、知らず知らずのうちに、こうした過干渉が行われてしまっているのです」(尾木さん)  昨今話題のブラック校則も、言い換えれば過干渉の1つといえる。何を着るのか、何をしていいのか、あらゆることを、子ども自身が考えて判断する前に、校則で規制してしまう。それはつまり、子ども自身の「考える力」を奪ってしまっているのだ。※女性セブン2020年4月16日号
2020.04.03 16:00
マネーポストWEB
生徒の自由を尊重することでいい学校を作り上げた
「校則をなくした公立中学校」校長が卒業生に贈った言葉
「校則をなくした学校」として知られる東京・世田谷区立桜丘中学校では、新型コロナウイルスの影響で規模は縮小されながら、無事、卒業式が行われた。 この日卒業を迎えたのは3年生184人。そしてもう1人、校長を務める西郷孝彦さん(65才)だ。 在任したこの10年間で登校時間を自由にしたり、服装を自由にするなど数々の改革を行った西郷さんは、この3月で教員生活を終える。4月2日には、教育評論家の尾木直樹さん、麻布学園理事長の吉原毅さんとともに、新書『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』を上梓する予定だ。その西郷さんが卒業生への餞に贈った言葉とは? * * * 入学式で先生がした話、覚えているかな? 映画『千と千尋の神隠し』で、千尋がカオナシと一緒に電車に乗る話です。途中の駅で千尋が大人になる瞬間があったよね。その瞬間が見たくて先生になったんだって。 カオナシは顔がないから、笑ったり泣いたり、怒ったりできないんだよ。カオナシを見ていて、先生はかわいそうだなと思っちゃう。 みんなはカオナシですか? 違うよね。笑いたいときは笑うし、泣きたいときは泣く。カオナシではありません。 でも、もしかすると、ここに入学したときはカオナシだったかもしれない。きみたちにとって、まだよく知らない先生たちもカオナシに見えたかもしれない。ですが卒業する今日は、みんな自由に自分の思いや感情を顔や体に全体に表せる人になったとうれしく思っています。 今日でお別れですが、3年間、本当にありがとう。先生ぐらい長く生きていると、“また明日!”と別れて、それっきり会えない人がたくさんいます。 だから、最後に別れを大切にしましょう。ということは、これからの出会いも大切にしましょう。新型コロナウイルスがこうして流行り、いちばんつらいのは“会いたい人と会えないこと”だと思う。学校に来られなくなって、最初は“やった。学校が休みだ!”と遊んでいても、そのうち学校が恋しくなる。なんで恋しくなるのか。会えないからだよね、好きな人に。 だから出会いを大切にしましょう。一生のうちで会える時間は、本当に短い。どんなに長くても100年はない。一緒にいられるのはせいぜい60年かな。今日あと少し、思い切り楽しんで、そして卒業してください。※女性セブン2020年4月9日号
2020.03.31 07:00
女性セブン

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