【写真】チャラン・ポ・ランタンのももと自宅デートを報じられた際の徳井のプライベート姿

チャラン・ポ・ランタンのももと自宅デートを報じられた際の徳井のプライベート姿

 また、〈傾向なので分かる。周りが普通にできることが、分かっていても出来ない。社会生活に支障をきたすレベル。でもやはり周りは当たり前に出来るので、一生分かってもらうことはできない。徳井さんも診断を受けてADHDの支援または治療をしてもらえていたらこんなことにはならなかったかも〉というように、徳井の身を案じるツイートをする当事者も一部だが存在した。

 彼らは勝手に診断をしていなかった。推測や憶測はしているが、それは徳井のことを思っての話であり、決してヒトゴトではないとしてこの話題を取り上げ、当事者ならではの思いを述べている。こうした知見や思いが言葉として流通することは、まだまだ偏見の多い発達障害の理解を広める点でも意味があるし、なにより日々自らの障害と格闘している当事者たちの心の風通しをよくする。社会になかなか適応できない自分を責めてしまいがちな彼らが、言いたいことを言ってもいいんだ、と勇気づけられることも多いだろう。

 だが、他の当事者外と思われるアカウントから放たれる言葉には、救いのないものも目立った。「ADHDだからって重罪の脱税が許されると思うなよ」とか、「なにかといえば発達障害だからと言い訳する風潮は間違っている」とかいった、勝手に断罪系のツイートが多いのである。徳井の行為はちっとも許されたわけではないし、発達障害だからと言い訳するような当事者ツイートを少なくとも私は見かけなかったのに。

 だいたい発達障害だから仕方ない/発達障害だから言い訳にするな、という2つの考えは、正反対のことを言っているようで実際は同じところで頭を打っている。どちらにしてもその考えでは、現に困っている当事者が次に進めないのだ。進むためには、「発達障害だから改善していこう」の発想が不可欠。そして、改善するために何を理解すべきで、何を変えていけばいいのかを、当事者のみならず周囲の人間、ひいてはこの社会に属する人全員が考えていくべきなのだ。

 そうした発達障害との向き合い方の基本は、まだこの国にできていない。それ以前に、有名人が発達障害を疑われると、野次馬のように衆人が集まり、やれADHDだ、やれASD(自閉スペクトラム症)だとレッテル貼りして、異物視する。昔だったら、「変わった人」や「だらしないやつ」ということで済ましていたのが、障害名をつけて逆に遠ざけてしまう。そういう負の効果も、ここ長い事続いている発達障害ブームの中には潜んでいる。

 この徳井問題、大御所作家の筒井康隆がブログの「偽文士日碌」中で取り上げていた。該当箇所を抜粋しておこう。

〈チュートリアルの徳井義実の件でホリプロより連絡あり。放送日が変更になる。徳井君出演回はどうやら放送中止となるらしい。なんてことだ。別段誰かが死んだわけでもなければ泥棒したわけでもないし、税金も追徴課税を含めてすべて払っておる。徳井義実に代る才能はないぞ。誰が責任を取るんだ。不寛容社会になってきたなあ。不寛容に対してだけ寛容に過ぎるような気がするが〉

 徳井の才能がそこまであるかどうか私は分らない。が、「不寛容社会」というのはよく分る。SNSの発達などで当事者の声を広く一般に知らしめることができるようになった一方、そうした声に気づきもせず、自分たちの「普通」と違う者を排除する、残念な動きも広まっている。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン