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友永真也氏を「歴代最高のバチェラー」だと僕が評価する理由

バチェラーからもう一つの結末を聞いてやさぐれる指原莉乃(イラスト/ヨシムラヒロム)

バチェラーからもう一つの結末を聞いてやさぐれる指原莉乃(イラスト/ヨシムラヒロム)

「私なら訴えます!」と叫ぶ指原莉乃のスポットCMが印象的な『バチェラー・ジャパン』シーズン3(Amazonプライム・ビデオ)が完結を迎えた。過去のシリーズでは、バチェラーと最後に選ばれた女性のカップルを見守る穏やかな雰囲気がネットにも広がったが、今回は指原のように怒りをあらわにするコメントがSNSにあふれている。というのも、3代目バチェラー・友永真也氏が、運命の女性として選んだはずの女性と別れ、最終決断で選ばなかったほうの女性と交際を始めたと特番で明らかにしたからだ。「過去最高傑作」とシーズン3を評価するイラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、なぜ友永氏が歴代最高のバチェラーとなったのかについて考えた。

 * * *
 10月26日、『バチェラー・ジャパン』シーズン3の最終話が配信された。過去2シーズンを観てきたが、最も衝撃的な結末だった。『バチェラー』とは、理想の独身男性(バチェラー)との交際を望む美女たちをふるいにかけ、最後に残った一人がバチェラーと真剣交際を始めた時点で終了する番組。この基本フォーマットを揺るがす事態が発生したのである。

 シーズン3のバチェラー友永真也が最終決断の相手として選んだのは岩間恵、水田あゆみ。競馬に例えると、一目惚れされた岩間が本命、元ホステスという経歴ゆえのハンデがある水田が対抗といったところか。結末は、友永に対して健気に尽くし続けた水田が大外からまくって勝利を飾った。

 視聴者にとって理想のオチである。まぁ、ここまでは僕も大いに満足していた。しかし、問題はその後である。幸せな結末のあとに、もう一つの結末があった。本来なら「結婚に向けて、真剣交際をしています!」と報告するエピローグにて発表されたのは、友永と水田が1ヶ月後には破局していたという事実。そして、最後に選ばなかった女性・岩間と交際中という予想できない顛末だった。

 なんとも気持ちよくないカップルである。『バチェラー』史上、最も応援できない2人はこうして誕生した。

『バチェラー』とは何か、僕は過去に数多く制作されたシンデレラストーリーの再現だと考えている。ただ、この世知辛い世の中で「金持ちと美女の恋」をテーマにした映画やドラマは現実味にかける。ゆえにリアリティーショーといったカタチでリバイバルされる。

 青春時代をパリで過ごしたボンボン・友永と実家に金を入れるために北新地で働いた苦労人・水田が結ばれる。フィクションならできすぎた結末。ため息も漏れるが、成就するまでの経過を知るリアリティーショーならば不思議と諸手を上げ、ハッピーエンドを喜ぶことができる。

『バチェラー』は友永目線だと豪華な婚活だが、女性目線では一人の男性を争う群像劇となる。一つのボールを追いかける球技のように、一人の男性を追いかける。どこかスポーツライクな側面を持つ。観ているなかで特定の女性に感情移入し、応援しがち(この傾向は同性の女性に顕著に現れる様子)。シーズン2からスタジオメンバーとなった指原莉乃もサポーター的な視点で『バチェラー』を語っていた。

 指原は苦労人タイプを応援し、ピュアタイプをディスる対象としてきた。シーズン3ではシングルマザーの女性が指原の“推し”だった。かなり勝ち進んだが、“推し”は途中で落選。以降、指原は水田を応援していた。指原自身、アイドル界の本命ではない。自身を「ブス」と称し、邪道からセンターに成り上がったアイドル版矢沢永吉なんて存在。王道を好まず、アウトサイダーに自身を重ねるのだろう。

 ゆえにエピローグで友永から告げられた衝撃の結末に、指原は絶句。水田の悲劇に同情し、心を震わす。「2人の問題だから何も言えないけど……」と言ったものの、本気で怒っていた。番組上、キレたフリをする指原は何度も観たことがある。しかし、本気で腹を立てている彼女を目撃したのは初めてだった。

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