シーズン2から『バチェラー・ジャパン』に加わった指原莉乃(時事通信フォト)
友永と水田、といった応援できるカップル誕生の後に生まれた最悪の蛇足。真の結末を喜んでいるのは友永と岩間だけだろう。
『バチェラー』はある種のゲームである。終わればノーサイド、番組発のカップルを祝すのが参加女性のマナーだ。過去に配信されたシーズンは皆で勝者を称えた。しかし、シーズン3に関しては賞賛0。誰も消化できず、しんみりと番組は終わっていった。
こうやって辛辣なことを書いてきたが、ここで告白をしたい。シーズン3配信当初、実のところ僕は友永のファンで。というのも、彼はわかりやすくサービス精神が旺盛な男だった。女性陣がバチェラーを楽しませる一辺倒の構図になりがちな番組に変革をもたらした。積極的に女性陣に話しかけ、場を盛り上げる。それに加え、曖昧な態度を取らない点も良かった。
1代目、2代目のバチェラーは女性に「ワタシのこと好き?」と聞かれれば、必ず「好き!」と答えた。そのついでに頬にキッスもしていた。しかし友永は、女性から好意を断ちやすいように、別れるときのフォローは丁寧にするものの、思わせぶりな態度を控えていた。
最終選考へ向かうにつれ自分と年齢の離れた若い女性を残し続けた1代目、2代目とは異なり、友永は自身に年齢が近い女性を残し続けた。そんな姿を観て、僕は「お前! 本当に結婚する気マンマンだな!」と大いに期待をしていたものである。
だが、番組が終盤になるにつれて友永の調子がおかしくなっていく。それが顕著に現れたのが岩間、水田を自身の家族と面談させたエピソード9。
それぞれを家族に紹介した後、友永は「正直な意見が聞きたいな」と持ちかけた。
兄「接しやすかった水田さん!」
母「パートナーとしてベストな水田さん!」
父「相性から言うと水田さん!」
オール水田という回答に友永は「俺は家族のために結婚相手を決めるわけじゃない!」とキレた。自分から率直な意見を求めたにも関わらず、怒る大人の男は滑稽だ。その後の個別インタビューでは「人を比べるのは違う、僕は岩間さんが好きなのに……」と独白。友永の気持ちは岩間一直線、岩間への愛で身を崩しつつあった。
振り返ってみると、家族に意見を聞いたのが間違いの始まり。親が何を言おうが、番組の趣旨がどうであれ、ただただ付き合いたい岩間を選んでおけば良かったのだ。そうすれば、番組のコンセプトそのものを否定するような事態は起こらなかったはず。初回で一目惚れをし、岩間に終始夢中だった想いがブレた末の悲劇だった。