暮らしぶりが上向いた今でも、新宿の下町風情の残る界隈に住み続ける。50代に入った今、男としても脂が乗り、渋さが滲み出るようになった。
「有名になるとかより、ひとりの表現者であり続けたいんですよ。あの作品はよかった、いい役者だといわれるのが、いちばんうれしいことなんで。それにはまず残る役者でいなければって思う。同世代の旬な役者たちの中にいつもいたい、そう思ってます」
【プロフィール】えんどう・けんいち/1961年、東京都生まれ。1983年『壬生の恋歌』(NHK)でデビュー。その後、数々のテレビ・ドラマの脇役として活躍し、2009年『湯けむりスナイパー』(テレビ東京)で主演、好評を博した。映画でも『その男、凶暴につき』『月はどっちに出ている』ほか、多数の作品に出演。CMやナレーターとして、テレビのドキュメンタリーや映画の日本語吹替版などでも活躍をみせている。近作にNHK大河ドラマ『西郷どん』(2018年)、三池崇史監督・宮藤官九郎脚本の映画『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016年)などがある。
◆インタビュー・文/水田静子、撮影/KEI OGATA ※初出:雑誌『Precious』2013年7月号