ビジネス

東海道新幹線 2020年導入の「N700S」は災害にも強く進化

700系シリーズ史上「最高」を目指したN700Sのマスク

 2020年7月に導入される東海道新幹線の新型車両「N700S」の試験車両が報道陣に公開された。「S」は「最高の」を意味する「Supreme」の頭文字で、ワンランク上の乗り心地を提供するという。

 グリーン車、普通車ともに全席でコンセントが利用できるようになり、車内ディスプレイには、大型液晶ディスプレイが採用されている。これまでのLED電光掲示板に比べて1.5倍の大きさで、より鮮明に見やすくなった。荷物棚は停車駅が近づくと明るく照らされ、荷物の置き忘れに気付きやすい仕様だ。

 座り心地については、全席でリクライニングの際にシートと背もたれが連動して動く構造が採用され、快適さが向上。また、シートが改良されたことにより、普通車では数センチではあるがスペースが広くなった。グリーン車では足元のスペースが15%拡大した。

 災害や非常事態への備えも進化した。防犯カメラは、これまで1両あたり2台だったのに対し、さらに客室天井部分にカメラが4台増設され、計6台となった。客室自動ドア横に通話装置も新設され、異常時には乗務員や係員とスムーズに連絡をとることができる。停電時にはバッテリー走行の備えも用意されている。これまでなら長時間にわたり駅間に停車したりトンネル・橋梁などで停車したりするような状態になっても、N700Sならバッテリーによって安全な場所まで移動できるという。

 新幹線が開業したのは、東京五輪開催の1964年。戦後復興、経済成長のシンボルの一つとして親しまれ、日本を縦断する交通網として人々の移動を支えてきた。その新幹線が再び2020年の東京五輪にあわせ、技術の粋を集めた車両を導入する。JR東海・新幹線鉄道事業本部副本部長の上野雅之氏はこう自信をのぞかせる。

「東京五輪・パラリンピックを前に運転を始める、時代の象徴です。快適な乗り心地と客室内の設備などあらゆる面で最高性能を備えており、期待してほしいと思います」

◆写真/太田真三

広くなったグリーン車

普通車も快適性が向上

ディスプレイも見やすく進化

五輪前にその雄姿が見られる

 

関連キーワード

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン