上皇上皇后両陛下を支える上皇職の多くは、平成の頃から侍従職として両陛下を支えたメンバーが担っている。その中には、両陛下の奮闘を長年近くで感じてきたからこそ“皇室の中心は今でも上皇上皇后両陛下”という発想を持つ人も少なくないという。
「天皇家の方々にそうした意識はなくとも、職員の現場レベルでは“二重の体制”ができている部分は否めません」(前出・宮内庁関係者)
そうした懸念がまさに露出した“事件”といえるのが、冒頭で触れた「茶会」だ。
茶会は来日した王族らをもてなすため、天皇皇后両陛下主催で開催された私的なもの。18か国31人の王族が出席し、上皇上皇后両陛下も途中から出席された。
「上皇上皇后両陛下が出席されたのは、茶会の終わり間際の時間だったそうです。それでも、“30年もの長い間、エンペラーとエンプレスを務められたおふたりに会いたい”と思う王族も多かったでしょうから、おふたりの登場を喜ぶ人も多かった。スウェーデンやルクセンブルクの王族は『再びお目にかかれて光栄です』と声をかけたそうです」(皇室関係者)
出迎えの挨拶でチークキスを交わされるなどのおもてなしをされた雅子さまはアイボリーのドレスにピンヒール姿。秋篠宮家などの宮家の9人の皇族方も出席されたが、みな洋装で集まられていた。
「ところが、あとから合流された美智子さまだけは純白の和装に身を包まれていました。海外の王族にとってみれば、日本の伝統的な衣装である着物の方に関心を強く持つはずです。実際、美智子さまのお姿は大変お目立ちで、雅子さまに引けを取らないほどに王族の視線を集めていたそうです」(前出・皇室関係者)
冒頭の皇室ジャーナリストが続ける。
「女性皇族特有のドレスコードの慣例が染みついている皇族方の中には、驚いた方もいらっしゃったのではないでしょうか。美智子さまを支える上皇職としては、“天皇皇后両陛下に招待されての参加なのでホスト側ではない”という認識で、洋装で統一しなかったのかもしれません。それでも、今後こうした場合、宮家の皇族方は、皇后の雅子さまに合わせるのが正しいのか、それとも上皇后の美智子さまなのか…」
令和の新しい皇室は揺れているようだ。
※女性セブン2019年11月21日号