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文部科学省は英語教育から手を引くべき 大前研一氏が提言

受験生は大迷惑(イラスト/井川泰年)

 2020年度に予定されていた大学入試共通テストへの英語民間試験活用の延期が発表された。そもそも決定への経緯が不透明で、英語教育の専門家が審議に加わっていない、その民間試験の試験場が全国をくまなくカバーしていないため地域格差が生じるなど、様々な問題を抱えていた。経営コンサルタントの大前研一氏が、大学入試「英語民間試験」が間違っている根本的理由について解説する。

 * * *
 大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される予定だった英語の「民間試験」が、萩生田光一文部科学相の「身の丈発言」がとどめとなって2024年度まで延期された。当然である。

 それらの問題もあるが、すでに2年前に私が指摘したように、より本質的な問題はその試験によって何を測りたいのかが不明なことである。つまり、重視するのが英語の読解力なのか、要約能力なのか、ヒアリング能力なのか、会話能力なのか、筆記能力なのか、あるいは海外に派遣された時の実戦対応能力なのか、さっぱりわからないのだ。

 というのは、学生に必要とされる英語の能力は大学ごと、学部・学科ごとに違うはずだからである。本来、その違いに沿って大学側が個々に試験問題を作るべきなのに、それを目的も採点基準も全く違う複数の民間試験に丸投げするという発想自体、文部科学省が英語教育を全く理解していないことの証左にほかならない。

 たとえば、私が学長を務めているビジネス・ブレークスルー(BBT)大学では、次のような最終試験を行なっている。

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