ライフ

男性型脱毛症はもはや薬で解消できるもの、市場も拡大中

上の写真は初診時と治療開始から3か月後に撮影。3か月後には頭頂部の生え際に発毛している。費用は保険適用外。Dクリニック東京の場合、1年目は月3万円が目安だとか

 最近、CMなどでよく耳にする「AGA」とは、前頭部と頭頂部に多く認められる男性型脱毛症のこと。『Dクリニック東京』院長・小林一広さんはこう語る。

「男性ホルモンのテストステロンが、加齢に伴いジヒドロテストステロンという物質に変わり、発毛に悪影響を及ぼします。すると髪の成長サイクルが短くなり、抜けやすくなるため、細く短い髪が増え、徐々に産毛のような状態になってしまいます。AGAを発症する年代には個人差はあるものの、加齢によって進行するのは確実です。遺伝の影響も大きく、AGAの人が多い家系であれば、リスクはより高いといえます」

 以前は遺伝だから諦める人が多かったが、今や発毛成分の『ミノキシジル』入り発毛剤は薬局でも入手でき、専門医にかかれば『フィナステリド』などの男性型脱毛症用内服薬を処方してもらうこともできる。もはや薬の力でAGAが改善できる時代なのだ。

 TPCマーケティングリサーチの調査によると、2017年の男性コスメ市場は、前年比で2.8%増え、1658億円に。2018年度は2017年度と比べ6.5%増の1765億円で推移する見通しだ。

 特に昨年はアンファーやロート製薬からミノキシジル配合発毛剤が新たに発売され、市場の伸びをけん引する見込みだという。Dクリニック東京では20年前から医学的な視点からの治療に取り組んでいる。頭髪の撮影や血液検査などを行い、薄毛の部位や症状の程度別に内服薬、外用薬を処方する。

「遺伝的要因の大きいAGAは、時間とともに進行するため、その時計の針を巻き戻し、細く短くなってしまった“毛”を、太く長かった“髪”に戻るような治療を行います」(小林さん・以下同)

 また、聖マリアンナ医科大学や日本医科大学形成外科学教室と医療連携し、最先端の研究を続ける一方で、診療現場では精神科、皮膚科、形成外科などの医師が症状に合わせた治療を行う。

「発進効果が期待できる治療期間の1つの目安は約1年です。そこから先は進行をいかに遅らせるかが目標となる。根気強く治療を続けていただく必要があります。基本的に治療開始後の1年は毎日薬を服用しながら、月に1度の通院が必要です。それ以降は服用頻度や量を調整しながら継続し、AGAの進行を克服していくのです。60代より50代、50代より40代と、若い年代での対策がより有効です」

 鉄は熱いうちに打て、ということか。

※女性セブン2019年11月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国分太一コンプラ違反で解散のTOKIO》山田美保子さんが31年間の活動を振り返る「語り尽くせぬ思い出と感謝がありました」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン