最後に注目したいのは、『プレミア12』の視聴率。5日のベネズエラ戦が11.1%、6日のプエルトリコ戦が11.2%、7日の台湾戦が11.6%、11日のオーストラリア戦が12.0%、12日のアメリカ戦が13.4%、13日のメキシコ戦が13.6%と、まさにジワジワと右肩上がりで視聴率を獲得しています(ビデオリサーチ、関東地区)。
最大の魅力は選手たちのプレーであることは間違いありませんが、他のリポーターとは異なる独自性の高い中居さんのリポートが中継を盛り上げているのも、また事実。その視聴者層を調べていくと、最も多いのは50~80代の男性でした。つまり、中居さんは長年スポーツ中継を楽しみ続けてきた男性たちから支持されているのです。
これらの目の肥えた視聴者が最も嫌うのは、スポーツ中継であるにも関わらず「自分の我を出そうとする」「強引に笑いを取ろうとする」芸能人。その点、裏方に徹する中居さんは一目置かれる存在なのでしょう。
高齢化が進み、ネットが普及した近年、視聴率に直結するリアルタイム視聴者の中心は50代以上の人々であり、その意味でテレビマンにとってスポーツ中継における中居さんは無視できない存在。東京オリンピックが開催される来年、中居さんがどんなポジションで、どんな活躍を見せるのか楽しみです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。