研究所の前では、市民団体が旭日旗と李氏の写真を重ねて燃やしたり、本を破り捨てるなどのパフォーマンスも繰り広げられた。正門前に汚物(犬の糞)を撒き散らした男が、住居侵入と器物損壊の疑いで書類送検される事件も起きている。
だが、韓国の警察はこうした知日派に対する暴行や脅迫は厳しく取り締まらないという。『韓国「反日フェイク」の病理学』の著者で韓国人ジャーナリストの崔碩栄(チェソギョン)氏が語る。
「李宇衍氏への抗議活動の動画を見ると、市民団体が本を燃やすくらいでは、警察は静観しているだけで、警告さえしない。活動家が研究所に乱入してツバを吐きかけた時は、さすがにパトカーで連行しましたが、その際も『冷房ちゃんと効いてます?』と、丁重に扱っていました」
10月には、『反日種族主義』に対抗して、東国大学のファン・テヨン教授が『日帝種族主義』なる書籍を出版。「彼らの書物(『反日種族主義』)は学問を越えた政治活動であり、法律で処罰すべきだ」とのコメントまで出している。
※週刊ポスト2019年12月6日号