国際情報

中国で拘束された台湾人 149人中48人がいまだ消息不明

歴史ある銭湯が危機に

拘束された人はどこに…

 2016年5月、台湾で独立色が強い民主進歩党(民進党)の蔡英文政権が誕生してからこれまでの3年半の間で、中国訪問中に消息が分からなくなっている台湾人が48人にも上っていることが明らかになった。その大半は反スパイ法に抵触して身柄を拘束されたり、すでに裁判で有罪判決を下されて服役しているとみられる。

 台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会(海基会)は「3年半の間に大陸訪問中に失踪したとの連絡を受けた台湾人は全部で149人に上るが、101人は無事が確認されている。しかし、残りの48人については、中国側から明確な説明がなく、非人道的な扱いを受けていると言わざるを得ない。このような状況はただちに改善されなければならない」などと中国側に抗議している。

 台湾メディアによると、中国を訪問中の台湾人が消息を絶ったケースは2016年5月以前では年に数えるほどしかなかったが、蔡政権発足後は急激に増加している。中国政府は蔡台湾総統が台湾独立を進めようとしていると警戒しており、台湾のスパイに神経をとがらせていることが、消息不明の台湾人急増の背景になっているようだ。

 最近も中国当局によって身柄を拘束されている台湾人3人の名前が明らかになっている。そのうちの1人は昨年8月に中国を訪問中に消息が不明になっていた元台湾師範大学助教授の施正屏氏。中国の対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官はこのほど、施氏について「中国の国家安全に危害を加えようとしたため、法律に基づく取り調べを行っている」と発言。反スパイ法に抵触した容疑で身柄を拘束していることを明らかにした。

 2人目は中台関係発展推進のために活動している団体「南台湾両岸関係協会聯合会」主席の蔡金樹氏。馬報道官は記者会見で、蔡氏が「国家に危害を与える活動に従事した」疑いで昨年7月から拘束していることを初めて明らかにした。

 3人目は台湾南部・屏東県枋寮郷の郷政顧問で望遠鏡メーカーの「信達光電科技」代表の李孟居氏。馬報道官は李氏について「中国の国家安全に危害をもたらす犯罪活動に従事した疑い」で身柄を拘束していることを明らかにした。

関連キーワード

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン