ライフ

392才のサメが存在、子供時代は150年、一方クラゲは不死

ニシオンデンザメは脊椎動物の中で最も長生き(イラスト/斉藤ヨーコ)

 動物学者の今泉忠明さんが監修した『ざんねんないきもの事典』(2016年、高橋書店)ほか一連のシリーズが子供たちの心をつかみ、爆発的に支持を得ている。そこで今回は、今泉さんに海の生き物の寿命のふしぎについて解説してもらった。海に生きる長寿生物の寿命とは?

◆ニシオンデンザメ

 脊椎動物の最長寿は“世界一のろいサメ”ことニシオンデンザメの392才。このサメ、赤ちゃんのハイハイくらいの速度で泳ぐなど動きものろければ、成長ものろい。性成熟までに150年はかかるといわれ、1世紀半も子供時代を過ごすのです。

 魚類はウロコや歯で年齢を推測しますが、サメはそれらが定期的に生え替わってしまう。

 軟骨のため骨からも年齢の情報が得られませんでしたが、目の水晶体を調査する最先端技術によって2016年に年齢が測定できました。ちなみに脊椎動物で最も短命なのはゴマハゼで、平均寿命はたったの59日。

 ニシオンデンザメの170倍ものスピードで一生をかけ抜けます。

【ニシオンデンザメの基本データ】
大きさ:全長5~6m_
生息地域:北極圏
好きな食べ物:魚からアザラシまで何でも食べる
毎日の健康法:世界一ゆっくり泳ぐ

◆ベニクラゲ

まさかの“寿命がない”!?(イラスト/斉藤ヨーコ)

 地球上のいきもので不老不死に最も近い存在がベニクラゲです。わずか数mm、最大でも1cmほどの小さなクラゲで、約150万種の動物の中で唯一“若返り”の能力が確認されています。

 クラゲは通常「ポリプ」と呼ばれる植物のような形状から水中を浮遊するクラゲに成長し、死ぬと溶けます。

 一方、ベニクラゲは外敵に襲われるなど命の危機になると、体が団子状になって細胞が変化し、約2か月後にポリプにリセット。

 死ぬことなく初期段階へと若返り、同じDNAを持つクローンがいくつも再生されるのです。体が小さく補食されやすいため、種の保存に努めているのでしょう。この神秘の若返り能力が私たちのアンチエイジングに生かされることはあるのか、ないのか…。

【ベニクラゲの基本データ】
大きさ:全長7mm
生息地域:世界中
好きな食べ物:プランクトン
毎日の健康法:生まれ変わる

※女性セブン2019年12月5・12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン