●「職人でいる間は納得してはいけないものだと思っています」 『天茂』 高畑粧由里(55)
「穴子とキスの天丼」が自慢の『天茂』の高畑粧由里さん
天ぷらの名職人と謳われた倉茂富夫さんが1964年に創業した老舗で、現在は跡を継いだ一人娘の高畑粧由里さんが2代目店主として揚げ場に立つ。高畑さんは以前、中高一貫校の英語の教師をしていたが、30歳のときに富夫さんが病に倒れたことを機に店を継ぐことを決意。教師の傍ら富夫さんの厳しい指導の下、本格的な修業をはじめ、33歳で正式に2代目となった。以来、多くの天ぷらファンの舌をうならせている。
「20年以上揚げ場に立っていますが、納得できる揚げ方ができているかというと、そんなことはありません。3年くらい経ったときでしょうか、おぼろげながら自信を持つことができ、10年くらい経ってようやく父の天ぷらに近づけたかなと思えるようになりました。でも、職人でいる間は納得してはいけないものだと思っています」
営業時間は昼と夜の2部制で、ランチメニューは天丼とかき揚げ丼の2種類(ともに1400円)。夜はおまかせコース(7700円)のみで、江戸前のネタと季節の野菜に加え、シメには天茶漬けか天丼のいずれかが味わえる。
「小海老と小柱のかき揚げ丼」(1400円)。良質な素材と職人技が詰まった一品。滋養が溶け込んだ「しじみの赤だし」(100円)との相性も抜群。
・住所:東京都港区赤坂3-6-10 第3セイコービル2F
・営業時間:11時半~14時、18時半~22時
・休:土・日・祝