職場の6歳年上の先輩は、彼氏とタイプの違う男性だった。(写真:PIXTA)

「あるとき、私がお客さん相手に大きなミスをしたんです。そのとき、叱られると同時に支えてくれたのが先輩でした。以来、付き合うようになって……、まあ、二股ですよね。秀くんは安心できて、一緒にいて気楽なタイプ。一方先輩は、ちょっと気を遣うけど、尊敬できる人。違う魅力があるんです。旅行好きで、いろんなところに連れていってもらいました。ただ、秀くんから電話がかかってくるかもしれないから、携帯だけは肌身離さず持っていましたね」

 先輩には秀さんとの付き合いは隠していた。愛子さんにとって先輩は一時的な浮気だったということか?

「うーん……、私、好きという気持ちに序列はないというか、同じくらい好きなんです。だから、裏切っている気持ちもなくて。ただ、付き合いの長さとか、人間的に気が合うとか、恋愛感情以外の部分を含めると、秀くんのほうが上回るという感じですかね」

 だからこそ、破局が訪れたのは、先輩から結婚を迫られた時だった。

「その時によくよく考えて、結婚するなら秀くんだと思って、先輩とは別れました」

◆予定が埋まっていないと不安になる

 その後、異動した愛子さんは、40代の職場の上司と不倫をするようになる。愛子さんのキャリアアップをサポートしてくれる上司だった。

「見た目はどこにでもいるおじさんなのですが、私には必要だったんです。2、3年は付き合いましたね。私はあまり仕事ができないから、自分を親身に支えてくれる人が近くにいないと不安だったのかもしれません。ただ、付き合いが長くなるうちに、どちらかというと体だけの関係になっていきました。秀君はもともと淡白なほうで、さらに家族みたいになっていたから、上司との付き合いが新鮮だったのかも。出張先で一緒の部屋に泊まったのを、社内の人に見られてバレてしまったので、関係を解消しましたが」

 愛子さんの二股は、秀さんでは埋められない何かを別の人で埋めようとする繰り返しだったようだ。その根源にあるのは、貪欲さか? あるいは淋しさか? 愛子さんはこう振り返る。

「秀くんはサーフィンとかゴルフとか、男友達との趣味が多かったので、私と遊べない日もけっこうあるわけですよ。私は予定が埋まっていないと不安になるタイプなので、二人と付き合っていてちょうどいいくらいでした。体力あるんです、私」

 愛子さんは他にも、お客さんや仕事先で出会った人などと、深い仲になったこともあった。すべて、秀さんとは全く別のタイプや、年齢層だったという。そんななかでも、秀さんに対して罪悪感はなかったと言い切る。なぜなら「秀くんは秀くんで本当に好きだから」。それが愛子さんの倫理観のようだ。

 付き合いが10年以上になっても、秀さんと二人でいるときの心地よさは変わらなかった。そしてもう一つ、愛子さんと秀さんを繋ぎ止めていたものがあった──秀さんの母親である。

「ある日、地方から彼のお母さんが遊びに来たんですが、秀くん、急な仕事が入ってしまったんです。で、私が東京案内したら、気が合って。うちの母とは真逆の、田舎のやさしいおばちゃんという感じの人。以来、秀くん抜きで、二人で電話したり、遊ぶようにもなりました。秀くんの家は男兄弟なので、女の私を可愛がってくれたんでしょうね」

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