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日高屋が苦戦中 「値上げで客離れ」定石通りの結果に

◆新業態のちゃんぽん、パスタ専門店の成否

 成長戦略に限界が見える中、このままでは日高屋の優位性が失われかねない。そこで、現在乗り出しているのが、新しい業態の開発である。

 12月17日、ちゃんぽん専門店「ちゃんぽん菜ノ宮(さいのみや)大宮大成店」(さいたま市)をオープンさせた。「日高屋」を外し、「菜ノ宮」という新しい屋号を根付かせようというのだ。

「ちゃんぽん店はリンカーハットが1番手として業績を上げており、われわれがそれを真似しても絶対に1番店になれない。今までの経験を生かして、“一味違う”ちゃんぽんを始めることにした」(高橋社長)

 メニューとしては、豚骨・醤油・味噌ベースのちゃんぽんや、辛い味付けのもの、鶏・牛肉・豚肉をトッピングしたちゃんぽんを提供する。リンガーハットとは趣向を変えたコンセプトで店舗展開を進める。

 それだけではない。パスタ・ギョーザの専門店、さらに従来の中華そばより高価格のラーメン店を2021年2月期までに順次オープンさせ、関東(主に1都3県)で日高屋を含め計600店の展開を目指すという。単純計算すると新業態の店が50店以上、うまくいけば100店となる勘定だ。

「関東に集中出店しているメリットを生かし、日高屋と別のブランドで市場を深掘りできれば、店舗の競合(カニバリーゼーション)が起きない」(フードアナリスト)

「新しい業態の店の出店ペースが上がれば成長力を取り戻すことができる」(別のアナリスト)

 との期待も高まる。まだ1都3県に集中出店を考えているから失敗してもダメージは小さいのかもしれない。だが、これまで成長の壁にぶつかり、新たな活路を見出そうとして失敗してきた外食産業も多いだけに、日高屋が挑む新業態の成否は注目されるところだ。

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