1981年には近藤真彦、1982年にはシブがき隊、1983年にはTHE GOOD Byeと4年連続で最優秀新人賞を獲得。ジャニーズ事務所は現在に至るまで隆盛を築いている。

“歌って踊れる”エンターテイナーを育成したいジャニー氏の中で、事務所の苦境時に現れた運動能力の高い田原俊彦は特別な存在だった。

 ジャニー氏は、田原のデビュー曲をレイフ・ギャレットの『NEW YORK CITY NIGHTS』のカバーにすると決めた。日本語詞を担当する小林和子氏が『NEW YORK CITY DOLL』というコンセプトで詞を書くと、ジャニー氏は田原の踊りを際立たせるため、こんな助言を送ったという。

〈DOLL(ドール)では音が伸びてしまうからダメ。音に乗せる言葉はNIGHTS(ナイツ)のように跳ねる音にしないと〉(拙著『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)より)

 伸びる音ではなく、跳ねる音のほうが踊りやすい──。ジャニー氏は細部にこだわることで、“歌って踊れる”田原俊彦の特性を存分に生かした。

 1986年から、田原のシングル売上枚数は10万枚を割るようになる。すると1988年、ジャニー氏はもう一度、田原俊彦を踊らせようと考え、バックダンサーに乃生佳之と木野正人を配置。

 ディレクターの羽島亨は新曲の作詞を森浩美氏、作曲を筒美京平氏に任せた。そして、編曲家・船山基紀氏が印象的なイントロを考案し、田原が踊りやすいように“決めポーズ”を何度も作れる音楽に仕上げ、『抱きしめてTONIGHT』が生まれた。

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