復活をとげたのは選手たちひとりひとりのがんばりの結果に違いないが、この日に焦点を定め、最大のパフォーマンスを発揮させたのは、まぎれもなく監督の指導があってこそ。この奇跡を起こした筑波大学駅伝チームにも影響を与えた“弘山的ランニングメソッド”にも注目が集まっている。著書『最高の走り方 超効率的「ベストな一歩」が記録を伸ばす!』からその一部を紹介しよう。

弘山勉監督には常識を覆すフォーム理論があるという

◇超効率的「ベストな一歩」を探せ!
 「自己ベストは、最高の一歩の積み重ね」と弘山さんは言う。そのために、ランナーのポテンシャルを最大限に生かすべく、徹底的に「効率的な走り方を実現するフォーム」追求が大事。練習時間の限られたサラリーマンランナーが、「速く、長く、ラクに」走れるべく、さまざまな悩みに対応した走り方の見つけ方を探すのがベスト更新の近道である、と。

  ◇ランニングの常識に縛られるな!
 一般的に信じられている「着地は真下」「骨盤は前傾」「ピッチ走法は省エネ」「上下動は悪」などがじつは間違っている場合もある。誤解をあらため、効率のよいフォームについての正しい理解を促す。

 ◇「傷み」や「故障」から今の走りの弱点を探る方法がわかる!
 ランナーならだれもが経験する痛みと故障。そこからフォームの問題点を探る方法を知る。

◇「1500メートルのタイム」がキモ
 長距離レースにおいて、自分がどのレベルまでのタイムを目標に設定し、トレーニングを積めばいいのかで悩むランナーは多い。その基準となるのが1500メートルのベースタイム。弘山式計算式だと、たとえば大迫傑選手なら、2時間4分28秒で走れる可能性があると予測できるらしい。

◇3か月間で目標タイムに近づく効果的なトレーニング方法を知る!
 フォームを改善し、目標タイムを設定したら、次はレース本番に最大のパフォーマンスができるよう狙いを定め、トレーニングに励む。現在の実力(サブ2.5~サブ4)によってトレーニング方法も変える。

 これまで研究されてきた一般的なデータや、著者の経験則から導き出した分析やメソッドをもとに、常識をひっくり返す驚きのフォーム理論をもつ弘山監督。彼率いる筑波大学が、令和のいだてんとなって箱根路を走る姿を見られる日はもうすぐだ。

【プロフィール】
 弘山 勉(ひろやま・つとむ) /1966年10月12日栃木県生まれ。筑波大学体育専門学群卒業。大学在学中は箱根駅伝に4年連続出場。大学卒業後は資生堂に入社。2007年から2013年まで資生堂ランニングクラブの監督を務め、アトランタ、シドニー、アテネのオリンピック三大会に出場を果たした弘山(旧姓:鈴木)晴美選手などを育てる。2015年4月に筑波大学陸上競技部男子中長距離コーチに着任。筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトHP(http://tsukuba-hakone.win/)、EVOLUアスリートLab(http://athlete.evolu.co.jp/)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン