『ゆるキャン△』や『山と食欲と私』『ふたりソロキャンプ』など、漫画やアニメの世界でもキャンプがテーマの人気作品が生まれている。『ゆるキャン△』はドラマ化もされ、2020年1月からテレビ東京系で放送がスタートする。
また、キャンプ初心者であるおぎやはぎの2人に、ヒロシをはじめバイきんぐ・西村瑞樹やペナルティ・ヒデといったベテランキャンパーがおすすめのキャンプをプレゼンする『おぎやはぎのハピキャン〜キャンプはじめてみました〜』(メ〜テレ)といった番組まで生まれた(2019年4月〜)。
ソロキャンプが人気だからといって、皆が孤独を好むようになったわけではない。背景には、現代人ならではの人との繋がり方があるのだという。アウトドア情報誌『CAMP LIFE』編集長の五十嵐雅人氏は言う。
「道具や手間の多さで疲れてしまう大人数でのキャンプとは違う、気軽さ、ゆるさこそがソロキャンプの魅力。それは、孤独を楽しむという方向性ではないと思います。たとえば日にちと場所だけを決めて、あとは好きなときに行って好きなときに帰る。勝手に食べて勝手に寝る。そんな風に自分のペースで過ごしながら、他のソロキャンパーともゆるく繋がれるという楽しみ方をしたいという人が多いようです」
つまり、各々が自由に過ごしつつ、その場には他のキャンパーもいる。そんなソロキャンパー同士での繋がりを楽しむ人が多いそうだ。
「もちろん、気分によっては徹頭徹尾ソロにこだわってもいい。それも含めて、SNSの繋がりにも似た自由さがソロキャンプの人気の理由だと思います」(五十嵐氏)
SNSのように、ゆるく人と繋がった状態。ソロキャンプは、そんな心地よさに慣れた人がリアルで行き着いた絶妙な距離感なのかもしれない。
●取材・文/大木信景(HEW)