ライフ

相続のための「成年後見制度」正しい契約方法とその後の注意

元気なうちにできる任意後見人選定(イラスト/榊原唯幸)

 高齢化が進む日本社会、親族が認知症を患うということも増えるだろう。認知症などで判断能力を失ってしまうと、そこからの生活はもちろん、相続にも支障をきたす。そこで本人に代わって家族や第三者が不動産や預貯金などの財産管理、介護サービス、施設への入所契約などを行うのが「成年後見制度」だ。

 必要になれば役所が紹介してくれるが、それを待っていては大損する可能性がある。

 成年後見制度は、本人に判断能力があるうちに自分の意思で後見人を選ぶ「任意後見」と、判断能力が衰えてから適用される「法定後見」がある。相続実務士の曽根恵子さんが話す

「『法定後見』の決定権は家庭裁判所にあり、親族ではなく弁護士や司法書士など、専門家が選ばれることがほとんどです」(曽根さん・以下同)

 法定後見人への報酬は財産額によって家裁が決める。月1万~6万円が相場だが、金額は公表されず、生前贈与もできなくなる。一度申し立てると取り下げられない。

“赤の他人”に財産だけでなく、家計まで管理されることになるので、まだ判断能力があるうちに「任意後見」契約を結んでおくべきだ。

「本人の判断能力がなくなると、後見人でないと法的手続きができません。認知症対策の1つとして契約しておくといいでしょう」

 任意後見人になるには、本人と一緒に公証役場で「任意後見人に指名する」といった契約書を公正証書で作成すればいい。

※女性セブン2020年1月2・9日号

後見人はこうやって決まる

後見人に支払う報酬とは

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン