十分な性能や運動性を持つホンダ「インサイト」だが…

十分な性能や運動性を持つホンダ「インサイト」だが…

●インサイト(ホンダ)

 国産勢としては新商品の投入頻度が割と高いほうでありながら、軽自動車以外の“空振り”率が高く、収益力に苦しんでいるホンダ。2018年12月から発売が本格化したCセグメントクラスのハイブリッドカー「インサイト」はその最たるもののひとつだ。

 今年上半期こそ6000台弱を売ったものの、それとて目標の1000台/月には届かず。7月以降はベスト50に一度も顔を出すことができないまま、低空飛行を余儀なくされている。消費の主流から外れている300万円台のセダンを今のホンダが売り抜くのは難しいだろうと予想はしていたが、ここまで売れないとさすがにびっくりする。

 筆者は今年、インサイトで4000kmドライブを敢行し、そのインプレッションを当サイトでもお届けした。仕上げに雑なところはあるものの、トヨタ「カムリ」、ホンダ「アコード」などの下に位置するセダンとして十分な性能、居住空間、運動性を持ち、スタイリングも一時期のホンダ車に比べるとシックでまとまりがいい。燃費も市街地で20km/L台前半、ロングランでは30km/L弱を連発するなど、優れていた。

 もともとの月販1000台という目標値自体、ホンダが難しさを自覚していたことの表れとも言えるが、課題はスカイラインと同じく、ブランドマネジメントの一貫性のなさにあるだろう。

 あるホンダのディーラー幹部は、「発売当初、(価格帯がずっと低かった)2代目インサイトのお客様がたくさんいらっしゃったのですが、値段を聞いて帰っていかれました」と語る。商品がいいというだけではクラスは変えられないのだ。

 しかし、これもスカイラインと同じく、諦めたらそこで終わりである。顧客への訴えかけをもっと工夫するなどして頑張ってほしいところだ。

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