ライフ

騒音ストレスは高血圧の原因に 心疾患のリスク高めることも

うるさいだけでも血圧は上昇(写真/アフロ)

 心疾患(心臓病)は、日本人の死因2位を占める。心臓の機能が低下して、全身に充分な血液を送り出せなくなる症状の総称を「心不全」といい、不整脈や心筋梗塞など、その原因はさまざまだ。みなみ野循環器病院院長の幡芳樹さんは「高血圧の人は心疾患になりやすい」と話す。

 さらに驚くべきことに、騒音は心疾患リスクを上げると、米国疾病予防管理センターが発表した。

 1日4時間以上、非常に大きな音にさらされた日が週に数日以上あった人は、うち24%が高血圧になり、28%はコレステロール値が上昇する。

 群星沖縄臨床研修センター長で総合内科医の徳田安春さんは「騒音から受けるストレスは、想像以上に大きい」と話す。

「騒音ストレスにさらされると、アドレナリンの分泌が増え、血圧と心拍数が高まり、心臓の負担が増えます。動脈硬化を促進する作用があるホルモンの一種『コルチゾール』も分泌されます。どちらも、心筋梗塞などのリスクを高めます」(徳田さん・以下同)

 騒音の目安は、本人がストレスを感じるかどうかだ。騒音を感じる期間が長いほど、病気のリスクは高くなる。数か月で心疾患を発症するという研究もある。

「日常的に感じる騒音は、自分では慣れているつもりでも、無意識にストレスがたまる。たとえ就寝中でもアドレナリンやコルチゾールが出ます。対人関係のストレスと違って無自覚なだけに、放置しやすく、発症率も高い」

 心臓病のリスクは、意外なところにひそんでいる。

※女性セブン2020年1月2・9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン