ゴーンの美人妻・キャロルさん(写真/アフロ)
「パスポートを弁護士に預けていたゴーン氏は出国手続きができません。そこで、楽器ケースに隠れたままでプライベートジェットに乗り込んだようです。羽田や成田だと荷物チェックも厳しいので、わざわざ関西国際空港まで行き、係員には『急いでいる』と伝えたり、楽器輸送の特別扱いを受けるなどして、出国審査をすり抜けたとされています。年末年始の海外旅行の出国ピークで大混雑の空港を狙ったのも、用意周到と言うほかありません」(前出・記者)
11月29日23時頃、関空を飛び立ったプライベートジェットが向かったのは、トルコ・イスタンブール。仏紙によると、トルコに特別なコネクションを持つ、キャロルさんの異父兄弟が協力したという。トルコからは小型の飛行機に乗り換えて、夫婦一緒にレバノン入りした。
「レバノンは貧しい国で、役人への賄賂が横行しています。大金持ちがカネを積めば、入国の際に偽造パスポートを使い、国内で安全に匿ってもらうぐらいはたやすいことです。日本の検察や警察は出入国管理法違反などの疑いで捜査を進めていますが、今回の脱走劇は『亡命』といっていい。ゴーン氏が日本に帰ってくる可能性はほぼゼロです」(国際ジャーナリスト)
今回の件では「ゴーン氏を逮捕した検察当局が地団駄を踏んでいる」と報じられているが、実はそうではない。経済事件に詳しいジャーナリストが指摘する。
「検察当局はメディアを使い、『保釈を認めた裁判所の責任』を責め立てています。今後の事件では、被告が罪を自白するまで保釈が認められづらくなるでしょう。これは検察の狙い通りの展開です。さらに言えば、そもそもゴーン氏が逃亡せずに裁判が行われても、無罪判決が出る可能性は充分にあった。そうなれば検察は赤っ恥です。実は、ゴーン氏の逃亡の陰で笑っているのは、検察当局なんです」
どんなスパイ映画のシナリオにも、ラストには大どんでん返しが待っている──。
※女性セブン2020年1月16・23日号