国内

三宅雪子氏 交流あったジャーナリストが明かす「暗中模索」

遺体は芝浦の海岸で見つかった(時事通信フォト)

遺体は芝浦の海岸で見つかった(時事通信フォト)

 三宅雪子・元衆議院議員の突然の訃報に、衝撃が広がっている。自殺とみられ、自宅から遺書のようなものが見つかったと報じられているが、いったい何が彼女を追いこんでしまったのか。死の直前まで交流のあったジャーナリストの福場ひとみ氏が、彼女の知られざる落選後の人生を明かす。

 * * *
 今回の訃報を聞いて愕然としてしまった。生前にもっと彼女の再起をサポートできればという悔いが募る。週刊誌の取材記者をしていた私が三宅雪子さんを取材したのは、2017年のこと。そのとき彼女はすでに落選していたが、議員らの政治活動に頻繁に顔を出すなど政治活動をつづけていたので当時の選挙事情にもとても詳しかった。以降、時々食事したり電話で情報提供を受けたりする関係だった。

 彼女に会いに行くと、自宅マンションにどうぞと案内された。自宅は港区一等地の閑静な住宅街にあり、広々としていた。労働大臣・運輸大臣・内閣官房長官を歴任した故・石田博英氏の孫で、父は外交官、生まれはワシントンD.C.。全盛期のフジテレビに河野景子、有賀さつきらスター女子アナの同期として入社し、小沢一郎氏の後押しを受け政治家になり、政権交代でいきなり与党議員に。落選したとはいえ、恵まれた境遇を歩んできたように見えた。

 通常、取材とはいえ、初対面の人物を自宅に招き入れてくれる人はめったにいない。ところが彼女はあっさりとリビングまで案内してくれた。しかも部屋着のまま、ボサボサの髪でノーメイク。睡眠不足なのだろうか、目は半開きで表情も虚ろだった。初対面にもかかわらず、無防備さをさらけ出していた。

 最初の取材の後、今度は彼女と自宅前にある高級ホテルのラウンジでお茶をすることになった。すると前回とは見違えるように、髪を整え、化粧をして、現役議員のころ“芸能人並みの容姿”と持て囃されていた時のようにキラキラとした姿になっていた。あとで彼女のツイッターを見てみると、久しぶりに美容院に行ってきたのだという。

 そのとき「実は、ルポライターとしてメディアで発信していくことを考えているんです」と相談を受け、彼女は考えてきたというアイディアを山のように話してくれた。現役の議員ではないにもかかわらず、彼女の得意とする厚生労働分野などの細かな動きに精通していた。聞くと、元国会議員の場合は煩雑な手続きなしで委員会を傍聴できるそうで、頻繁に通っているのだという。

 そして、彼女から自著や過去に書いた記事のコピーやサンプル記事、そして企画書をもらった。私から各種メディアに売り込んでほしいということだった。「私の出した企画はいつも通るんです。いままで落ちたことがない、必ず通るんです」と自信たっぷりに見せてくれた。その後も企画を出してくれるたびに、そう言っていた。

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン