親が認知症になるとつい感情的になり、対応法にも唯一の正解を求めがちだ。しかし、多くの人が試した「うまくいく確率〇%」などを見ると、「これがダメなら別の方法も探してみよう」という気になる。
「1つの方法に固執せず、ケアする側が柔軟に試行錯誤する姿勢はとても大切。『認知症ちえのわnet』に提示された成功確率も目安であり、絶対ではありません。
行動(BPSD)には必ず“きっかけ”があるのです。このサイトで方法を探しながら考えてほしいのは、そのBPSDがなぜ起きたか。時間や場所、対応する人、本人の様子など、要素はいろいろあります。対応しながらも観察してみるとよいでしょう。そしてその対応がうまくいったか、いかなかったかを、ぜひ投稿してください」
現在、サイトの登録者数は約2300人。うまくいった/いかなかった体験の集計結果は、原因疾患別、要介護度別、場所や時間別でも再計算できるしくみになっており、精度を上げるためにも、さらに体験の投稿が必要だという。
「アルツハイマー病などの原因疾患や重症度によっても、有効な対応策は違ってきます。だからこそ、きちんとした診断が重要なのです。しっかり病気を把握することでBPSDが出ないよう、また発症しかけてもすぐに対応でき、本人も家族も楽になります。認知機能が低下しても穏やかに生活できるように、ケアする人がステップアップすることも大切です」
※女性セブン2020年1月16・23日号