国内

ゴーン被告が会見で訴えた「拘置所のシャワー週2回」の実情

東京拘置所のバスルーム。扉は透明なガラス張りだ(AFP=時事)

 レバノンに逃亡したカルロス・ゴーン被告は、1月8日の記者会見で、「起訴されたら有罪率が99.4%」「弁護士が同席せずに一日最長8時間の事情聴取」など、日本の司法制度に対する批判を繰り広げた。なかでも印象的だったのは、わざわざ「拘置所では週2回しかシャワーを浴びることができなかった」と訴えていたことだ。

 毎日入浴習慣のある人が週に2回しか風呂に入れないのは嫌に違いないが、本当に拘置所や刑務所では、風呂は週2回なのか。法務省に確認した。

「拘置所や刑務所などの刑事施設では、『刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律』の第59条で、被収容者には保健衛生上適切な入浴を行わせ、『刑事施設及び被収容者等の処遇に関する規則』の第25条で、一週間に2回以上、入浴を行わせると定められています」(法務省矯正局成人矯正課・村瀬遼氏)

 法律で「週2回以上」と定められているのである。しかし、週2回以上というなら、3回でも4回でもいいはずだが、そこはどうなのか。

「入浴回数は施設長の裁量で決められます。北海道と沖縄では気候が違いますし、木工や金属加工、炊事などの刑務作業をしている受刑者は汗をかくので、衛生上の観点から毎日入浴させるということもありますが、一般的には夏以外の季節は週2回、夏は1回増やして週3回という施設が多いです」(村瀬氏)

 木工や金属加工などの作業をするのは刑務所の受刑者だけで、ゴーン被告のように起訴されて拘置所に収容された未決勾留(刑事被告人)の場合、刑務作業はない。だから、拘置所では夏は週3回、夏以外は週2回が一般的ということだ。

 1回あたりの入浴時間も施設長の裁量の範囲とされ、「1回15分程度が一般的」(村瀬氏)だそうだ。15分は短いような気がするが、収容人数も多いので、施設の管理運営上、その程度にせざるをえないという。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン