ライフ

本能寺の変で信長が言った「しかたがないな」をどう解釈するか

明智光秀は「本能寺の変」の謀反のイメージが先行するが(写真/AFLO)

 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公、明智光秀といえば、織田信長を自害に追い込んだ「本能寺の変」の首謀者として知られている。敵役としてのイメージが強い光秀を、信長はどのように評価していたのか。『東大教授がおしえる やばい日本史』などベストセラーを連発する歴史学者の本郷和人氏が、光秀の真実をわかりやすくレクチュアする。

 * * *
 美濃出身の光秀がどのような経緯で信長に仕えるようになったのかもよくわかっていません。ただ、信長の前に越前の大名・朝倉義景に仕えたのは間違いないようです。

 なんらかの縁で斎藤道三に仕えて才能を認められたが、1556年の道三とその息子・義龍の戦い(長良川の戦い)で道三の側について負けてしまい、美濃にはいられなくなった。その後、浪人して朝倉氏に仕えたというのが妥当な見方でしょう。

 ただ、朝倉氏にはそれほど重用されなかった。

 現代に生きる私たちには「日本人」という共同体の意識があるけれど、群雄割拠で周囲を敵に囲まれた戦国時代にはそれはない。「同郷の人間以外は信用するな」という感覚がありました。

 朝倉氏初代の朝倉孝景は、実力で越前守護にのしあがった戦国大名のはしりともいえる人物です。

 この孝景が定めた「朝倉敏景(孝景)十七箇条」には、「重役の息子だから重役になれると考えるな。才能がなければ使わない」とか「合戦のときに吉凶を占うことはやめろ」というように当時としては非常に合理的な考えが示されています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン