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2020.01.28 16:00  NEWSポストセブン

ケント氏の結論「元徴用工が賠償請求すべき相手は韓国政府」

文在寅政権発足間もない2017年、韓国を訪れたケント氏

 それでも、どうしても韓国側が日本企業に支払いを求めるのであれば、セカンドベストの方法を私が提案しましょう。請求権の放棄は、何も韓国側だけがしたのではありません。日本側が韓国国内に残してきた不動産やインフラ資産の請求権も放棄しているのです。韓国側が請求権放棄協定を無視するのなら、理論的には、あおぞら銀行(旧朝鮮銀行の日本残余資産で設立された日本不動産銀行の後身)がソウルにある韓国銀行貨幣金融博物館(旧朝鮮銀行本店)の返還を、三越伊勢丹が新世界百貨店本店本館(旧三越京城支店)の返還を要求することもできるはずです。当時朝鮮半島に土地を持っていた多くの日本人も返還を要求できます。

 こうした例はいくらでもあるわけですが、日本は決してそうしてこなかったのです。国交回復当時の日本は、朝鮮戦争後、北朝鮮に後れを取って経済的にも軍事的にも苦しい韓国に対して、かつて苦労をかけたという思いがあったからこそ、多額の援助を行なったわけです。この事実を積極的に国民に知らせなかった歴代韓国政府のおかげで、残念なことにいまも韓国人が知らない歴史になってしまっています。

 韓国政府が判決を放置し、請求権協定を骨抜きにするのならば、日本政府も当時不動産などを放棄した民間人、企業を集めて訴訟を起こすなり、あるいは元「徴用工」への賠償と同様時価評価で、あらためてこれら資産の対価を韓国側に要求するか、そのお金を韓国側で元「徴用工」への支払いに充当すればいいでしょう。これならば、現状よりはいくらかフェアです。もっとも、まさかできるとは思いませんが。

 私は2008年、リーマンショック後の金融危機において、韓国の企画財務部長官が日本の新聞に対し、「日本は支援を出し惜しみしている」とか、「アジア諸国が日本にふがいなさを感じる」などと述べたのを見て、韓国に対する日本の長年の支援は、ついに政府レベルでも忘れられたと確信しました。

 自分たちの政府は、日本からすでに充分すぎるお金を受け取っているのです。日本は、徴用工問題に関しては引き続き断固たる態度で臨むべきです。日本企業に実害が出た場合は、敢然と対抗措置を取るべきです。決していままでのような「謝罪病」をぶり返して国益を失ってはいけません。自分が悪くないのにとりあえず謝るというのは、日本人の習慣であり美徳かもしれませんが、日本以外の国では絶対にやってはいけません。そもそも徴用工問題で日本が妥協すべき点は皆無なのです。

◆ケント・ギルバート著『中韓が繰り返す「反日」歴史戦を暴く』(祥伝社新書)を一部抜粋のうえ再構成

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