車椅子を歩行補助器として使い散歩する
病院に出勤すると、白衣に着替える。孫ほどに年の離れたスタッフたちにも、自分から進んで挨拶している。院長を務める陳先正氏が語る。
「病院内では、『みんなのおじいちゃん』として慕われています。田中先生がいると、なぜかみんな笑顔になるんです」
確かに田中氏を見ていると表情が豊かで、笑顔が明るい。
「若い頃は無表情なほうでしたが、医学部の先生から『笑うと気持ちが前向きになれて健康にもいい』とアドバイスされたのです。それから人と接するときは笑顔でいようと心がけるようになりました。笑いは免疫細胞を活性化し、体の抵抗力を高める効果があると医学的にも実証されています」
午後は地元名士が集まるロータリークラブの会合に顔を出し、地域のイベント企画などについて話をする。
「週の半分ぐらいは、予定が入っています。結構忙しいんですよ(笑い)」
田中氏によれば悠々自適な引退生活より、多少のストレスがあっても現役で仕事やボランティア活動などを続けるほうが、生きる充足感を得られ、心身の健康にいいという。
昼食後には、昼寝を日課にしている。
「30~40分ほど昼寝すると、頭がすっきりする。実は夜の睡眠の3倍リフレッシュ効果があるんです。高血圧や糖尿病などの予防にもなります」