スポーツ

野村克也氏 夫婦揃ってピンピンコロリ、「苦しまず逝きたい」

2008年、本誌『女性セブン』の取材を受けるふたり。「『内助の功』なんて言葉は嫌い」と沙知代夫人は語ったが、「やって当然」という夫への愛があった

 元プロ野球選手でヤクルトなどの監督を努めた野村克也さん(享年84)が2月11日、虚血性心不全で亡くなった。

 ひとりぼっちで暮らすにはあまりに広い自宅の浴槽で息を引き取った野村さん。見つけたのは、孤独な生活を支えてきた家政婦だった。

 亡くなる直前まで、野村さんは口を開くたびに「寂しい」と繰り返していた。そして「会いたい」とも。いつも一緒だった最愛の妻・沙知代さん(享年85)を失って早3年。野球を語ると相変わらず意気軒昂でも、あれほどの勝負師が亡き妻を思い、「人生最大のピンチ? そうだね、自分の弱さを痛感している」とうなだれた――。

 沙知代夫人が亡くなったのは、2017年12月のことだった。いつものレストランでいつものように食事をした翌日の昼、自宅のテーブルに突っ伏していた沙知代夫人に野村さんが「おい、大丈夫か」と声をかけた。気丈に「大丈夫よ」と返ってきたが、これが最後の言葉になった。

 この日の朝の沙知代夫人は、いつもとは様子が違っていた。ベッドの中で野村さんに「手を握って」と懇願したという。野村さんは異変に気づきながらも、手をやさしく握った。沙知代夫人には、密かな予感があったのだろうか。

 この頃のふたりは、死について話題にすることも少なくなかったという。

《去年(2016年)あたりから2人で死について話すようになっていて、『俺より先に逝くなよ』と諭した時に何の返事もしなかった。普通なら『そうだといいね』とか返しそうなものなのに。彼女は俺より年齢が3つ上だから、『私の方が先』と思っていたのかもしれない》(週刊ポスト2018年2月2日号)

 太陽を失った月見草は傍目からもわかるほど憔悴し、「生きている時はうるさいと思うんだけどね。誰もいない家に帰っていくというのは寂しいもんだね。特に冬だから、家の中が冷え切っているよね。それがものすごく堪える」と周囲にこぼすほどだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン