国内

妊婦と子供が豪華船でコロナ感染、病院に走った緊張と箝口令

「ダイヤモンド・プリンセス」からついに母子感染が(共同通信社)

 神奈川県のJR鶴見駅から車で約15分の大黒ふ頭。ここに乗員乗客約3700人を乗せていた豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が停泊。

「港の正門は閉鎖されており、ふ頭内に入場する際は身分をチェックされます。周辺には20社以上の報道陣が集まり、海外メディアも殺到しています。上空を報道のヘリが飛び交うなど物々しい雰囲気です」(全国紙社会部記者)

 1月20日に横浜港を出港したクルーズ船は香港、ベトナム、台湾、沖縄に立ち寄った。しかし、香港で下船した80才の男性乗客が新型コロナウイルスに感染していたことが判明し、バカンス旅行が一転、隔離生活に追いこまれた。

 港を目前にしながら下船がかなわず、新型コロナウイルス感染への恐怖と、一向に見えない先行きへの不安が入り交じり、心労は増すばかりだ。

「食事は出るものの衣服は支給されず、自ら衣服を手洗いする乗客もいます。客室の清掃もなく排水口からは黒い粉塵が見えるなど、衛生状態の悪化が懸念されます。高血圧薬やコレステロール薬など、日常的にのんでいた薬がなくなり、不安を訴える高齢者もいます。狭い船内に閉じ込められたうえ情報が圧倒的に不足していて、『早く帰りたい』『いつここから出られるんだ』とストレスを募らせる状況が続いています」(前出・全国紙社会部記者)

 2月9日には、男性乗客らが「1週間近く使い続けているシーツの交換」「医療専門家や看護師の派遣」「乗客に対する情報提供」などを求める要望書を厚生労働省に提出。“軟禁状態”の乗客が苦境を訴えるなか、感染者は拡大の一途をたどっている。

 厚労省は、これまで乗員乗客70人が集団感染したと発表していた。しかし2月10日になって新たに65人の感染が発覚し、トータルの感染者は135人とほぼ倍増した。

 感染者の激増に伴い、現場では必死の対応が続く。

「詳細は発表されていませんが、2月7日の22時頃、乗客の女性とその子供の感染が確認されました」

 こう話すのは、ある厚労省関係者だ。

「母子で感染が確認されたのは初めてのケースでした。しかも女性は妊娠15週で、国内での妊婦の感染も初。胎児への影響も懸念されたので、深夜にもかかわらず、医療施設に緊急搬送されました」(前出・厚労省関係者)

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン