そうしたなかで、同省の対応は二転三転。現在はクルーズ船の乗客に最大14日間の船内待機を要請しているものの、入港当初は船内の飲食店やサウナが営業するなど、乗客の船内での行動を制限しなかった。

 それが感染者が増えてから室内待機を要請。さらに同省は自治体に感染者の搬送先を空気が外部に漏れない病室を備えた「感染症指定病院」と指示していたが、病床の不足を懸念してか、2月9日には一転、「指定病院でなくても患者を受け入れていい」と通達し、現場を混乱させた。

 そもそも、政府が1月28日に新型肺炎を「指定感染症」にした際、厚労省は、「10日間の周知期間が必要」という理由で2月7日から感染者の入国拒否や強制入院措置を実施する予定だった。批判を浴びて2月1日に前倒ししたが、もし、同省の方針に従っていれば、感染が未確認だったクルーズ船の乗客がそのまま帰宅させられていた

※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号

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